第291回 鉄道総研月例発表会

日時 2015年07月15日(水) 13:30〜17:20
場所 ベルサール神保町 3F Room 3+4+5
主題 構造物技術に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
構造物技術に関する最近の研究開発

鉄道総研では構造物技術に関して、設計や維持管理、耐震対策に関する技術開発や、技術基準の性能規定化に伴う性能評価法に関する研究開発に取り組んでいる。また、平成22年度から5年間にわたり、鉄道の将来に向けた研究開発課題として、メンテナンスの革新や地震に対する安全性向上に取り組んできた。ここでは、このような構造物に関する研究開発の中から最近の成果を紹介するとともに、今後の動向について展望する。

発表者

構造物技術研究部 部長  谷村 幸裕

13:45~14:10
地下駅空間の大規模拡幅のためのリニューアル技術

都市部の地下駅では、混雑緩和や機能向上などを目的として、既設トンネルの一部を開口し、新設トンネルと接続する拡幅工事が増加している。しかしながら、拡幅規模が大きくなると、既設トンネルに多くの補強が必要となる場合がある。そこで、このような大規模拡幅に対応した設計手法とともに、新旧トンネルの接続部において、逆梁で既設トンネルを抱き込み、水平と鉛直の十字配置のアンカーで接続する新たな補強工法を開発した。本報告では、この補強工法の設計方法やコストダウン効果、実物大模型の載荷試験による検証結果について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 トンネル研究室 副主任研究員  仲山 貴司

14:10~14:35
既設鋼Iビーム支点部疲労き裂の原因究明とコンクリート巻き立て工法

既設の鋼Iビーム橋梁では、支点部の下フランジ首部において疲労き裂が発生する場合がある。本研究では、疲労き裂の発生および進展に対して支配的な因子となる沓座モルタルの損傷、端補剛材下端の腐食、疲労き裂の開口幅などについて、実物大のIビームを用いた実験およびFEM解析からその影響度を定量的に把握した。さらに、発生した疲労き裂に対する補強方法として桁端コンクリート巻き立てを提案し、実験によりその効果を確認したので、その結果を報告する。

発表者

構造物技術研究部 鋼・複合構造研究室 主任研究員  小林 裕介

14:35~15:00
橋梁および高架橋の状態監視システムの開発

橋梁および高架橋は経年化が進んだものも多く、維持管理の重点化が求められている。一方、橋梁および高架橋の健全度は衝撃振動試験等の現地調査や目視により評価されてきたが、状態監視の考え方を導入することで、検査の省力化や異常の早期検知による補修コストの削減が期待できる。これらのメリットを生かした維持管理の低コスト化を目的に、橋梁および高架橋の状態監視システムを開発した。本発表では、開発した状態監視システムの特徴について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 基礎・土構造研究室 副主任研究員  阿部 慶太

15:00~15:25
RC構造物の鉄筋腐食によるかぶりの剥落評価手法

一般に、RC構造物における劣化に伴うかぶりの剥落は、鉄筋の腐食によって発生する。そこで、供用中のRC構造物における鉄筋の腐食状態を計測できる可搬型レーザー計測装置を開発し、計測結果を忠実に反映した、腐食による鉄筋の膨張を想定した非線形要素解析を実施した。本発表では、解析結果とともにかぶりの剥落におよぼす各種因子について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 コンクリート構造研究室 副主任研究員  渡辺 健

15:25~15:40
休 憩

15:40~16:05
地震動および長時間の津波越流に強い盛土構造の開発

2011年の東北地方太平洋沖地震において、鉄道盛土が津波により甚大な被害を受けた。本研究ではこれまで未解明であった地震後の津波による盛土の破壊メカニズムを解明し、面状補強材とセメント改良礫土スラブの併用による新しい盛土構造を提案した。検証実験の結果、従来構造の盛土はL2地震動に対して十分な耐震性能を有している場合でも、実スケール換算6分程度の越流により堤体の半分程度が流出したのに対して、提案構造では盛土内部への侵食・堤体の流出は殆ど確認されず、提案構造の優位性が確認された。本発表では、地震後の津波による盛土の破壊メカニズムと、提案構造による補強効果について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 基礎・土構造研究室 副主任研究員  中島 進

16:05~16:30
超連続基礎を有する高架橋の地震時挙動

線状に位置する鉄道構造物では、地点ごとに表層地盤構造が大きく変化する。これにより、地震時には各構造物が異なる挙動をするため、全体の挙動を詳細に把握することは容易でない。そこで、フーチングを線路方向に数百m程度連続化した高架橋を提案した。本基礎構造は、連続した構造物であることから地点ごとの有効入力動の変動を平準化させるため、地点依存の設計が不要となる。また、角折れ・目違いの発生を抑えられるため、列車の走行安全性も向上する。本発表では、提案した構造物の地震時応答評価により確認された平準化効果について報告する。

発表者

鉄道地震工学研究センター 地震動力学研究室 研究員  田中 浩平

16:30~16:55
大規模地震時における砂詰基礎電化柱の動的解析モデルと耐震評価

高架橋上にある電化柱の基礎には、砂の摩擦等による減衰作用を利用した砂詰基礎が用いられている箇所がある。しかし、大規模地震時に基礎内部の砂が大変形した際の電化柱の挙動は不明であり、現状では大規模地震に対して正確な耐震評価ができないという課題がある。そこで、砂詰基礎の静荷重実験等を実施して大変形時の砂詰基礎電化柱の非線形挙動を詳細に把握し、動的応答解析をするためのモデル化を実施した。さらに電車線路設備の耐震設計に用いることが可能な応答スペクトルを作成したので報告する。

発表者

鉄道地震工学研究センター 地震応答制御研究室 主任研究員  原田 智

16:55~17:20
高架橋との連成挙動を考慮した高架上家の簡易な変位応答予測手法

高架橋上に付帯する旅客上家(以下、高架上家)の地震時応答は、高架橋との相互作用を考慮できる一体モデルによる算定が理想的であるが、使用材料や設計体系の異なる高架上家と高架橋の一体モデル構築は労力が大きい。そこで、高架上家の応答性状に与える構造特性を整理し、高架橋および高架上家それぞれの情報から、高架上家の連成系変位応答の簡易予測法を開発した。また、鉄道土木L2地震動での適用性を検証したので紹介する。

発表者

構造物技術研究部 建築研究室 副主任研究員  清水 克将


司会:伊積 康彦 (構造物技術研究部 建築研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。

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