第306回 鉄道総研月例発表会

日時 2017年01月18日(水) 13:30〜16:55
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 車両技術と浮上式鉄道技術の在来方式鉄道応用に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
車両技術に関する最近の主な研究開発

車両技術に関する最近の主な研究開発で特にIoT技術に関するテーマの中から大規模データ有効活用として「車両情報記録装置による大規模データの活用」、車両駆動装置の状態監視として「振動のオクターブバンド分析を用いた駆動用機器の状態監視手法」、ブレーキ滑走制御の高度化として「巨視すべり領域を活用した滑走制御手法の構築」について紹介する。

発表者

車両制御技術研究部 部長  山本 貴光

13:45~14:05
電気車のけん引力を向上する空転再粘着制御方法

電気車の空転検知(トルク引下げ開始)に用いる加速度信号よりも、フィルタ処理による遅れを改善した加速度信号を空転収束検知(トルク引下げ停止)に用いることで、再粘着制御によるトルク引下げ量を低減させて平均けん引力を向上する再粘着制御方法を開発した。走行試験を実施した結果、平均けん引力が5%以上向上し、量産型インバータ制御機関車HD300形式に導入された。本発表では、これらの成果を紹介する。

発表者

車両制御技術研究部 駆動制御研究室 主任研究員  山下 道寛

14:05~14:25
燃料電池の長期劣化特性

クリーンなエネルギー源である燃料電池の電車への応用が鉄道事業者から期待されている。燃料電池を鉄道車両へ適用する場合、長期使用による燃料電池の劣化や偶発的に発生する不具合を把握する必要がある。本発表では100kW級燃料電池を搭載した試験車両により10年にわたり行った燃料電池の発電電圧・エネルギー変換効率の評価結果や、燃料電池の故障傾向分析やリスクアセスメントにより得られた燃料電池を製作する際の指針を紹介する。

発表者

車両制御技術研究部 水素・エネルギー研究室 副主任研究員  米山 崇

14:25~14:45
輪軸質量アンバランスによる車体上下振動を抑制するヨーダンパ用緩衝ゴムの開発

輪軸の質量アンバランスによる車体加振を抑制するため、鉄道総研では台車・車体間の前後方向の結合要素における緩衝ゴムに着目し、一本リンク用変位依存性緩衝ゴムの開発に取り組んできた。今回新たにヨーダンパ用変位依存性緩衝ゴムの開発に取り組み、製作した緩衝ゴムの走行安定性能を車両試験台試験で確認した後、営業線での特急電車走行試験を行った結果、車体上下振動が低減することを確認した。これらの結果について報告する。

発表者

車両構造技術研究部 車両振動研究室 副主任研究員  相田 健一郎

14:45~15:05
センタリングシリンダによる車体傾斜車両の乗り心地向上

空気ばね車体傾斜車両により振子車両と同等の曲線通過速度を実現しようとすると、振子車両に比べて曲線走行時の車体横移動量が大きいため、左右動ストッパ当たりによる乗り心地低下が課題となる場合がある。そこで、車体横移動を抑制するセンタリングシリンダを車両に適用し、走行試験により左右乗り心地向上効果を検証した。センタリングシリンダを適用する際のシステム構成、左右乗り心地向上効果について報告する。

発表者

車両構造技術研究部 走り装置研究室 副主任研究員  石栗 航太郎

15:05~15:20
休 憩

15:20~15:35
浮上式鉄道技術の在来方式鉄道応用に関する最近の研究開発

浮上式鉄道技術研究部では、近年、「浮上式鉄道の基礎研究」では車両運動解析、高温超電導磁石、推進・浮上・案内兼用コイル、地上コイルメンテナンス手法等の開発を実施する一方、超電導リニア関連技術を在来方式鉄道への応用するための研究を進めてきた。リニアモータ型レールブレーキ、非接触給電技術、超電導フライホイール蓄電装置、低温技術や磁界関係の知見を活かした、磁気ヒートポンプ技術等である。これらの経緯を概観する。

発表者

浮上式鉄道技術研究部 部長  長嶋 賢

15:35~15:55
鉄道車両空調を目指した磁気ヒートポンプシステムの熱損失評価

鉄道車両空調のノンフロン・省エネルギー化の観点から、現行の蒸気圧縮式冷凍に変わり得る冷房技術として、磁気熱量効果を用いた磁気ヒートポンプ技術の開発を目指している。これまでに試作したkW級の冷凍能力を有する磁気ヒートポンプシステムは熱損失を含んでおり、本来の能力が十分に発揮されていないことが課題であった。そこで、熱損失要因の洗い出しと、熱損失を定量的に評価するための基礎試験ならびに数値解析を実施した。本発表ではこれらの成果を紹介する。

発表者

浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室 副主任研究員  宮崎 佳樹

15:55~16:15
リニアモータ型レールブレーキの開発

渦電流レールブレーキにリニアモータ技術を応用することで、これまで使用が困難であった停電時の使用が可能となり、また、レール温度上昇も低減される可能性がある。今回、リニアモータ型レールブレーキのプロトタイプを製作し、R291試験電車に搭載して構内走行試験に供した。その性能を評価するとともに、得られた知見より、高速車両に適用した場合の制動距離の短縮効果などを概観した。本発表ではこれらについて紹介する。

発表者

浮上式鉄道技術研究部 電磁システム研究室 主任研究員  坂本 泰明

16:15~16:35
鉄道車両用非接触給電の実証

近年、非接触による電力伝送(非接触給電)の技術開発が進展している。鉄道に非接触給電を適用すれば安全でメンテナンスフリーな電力供給システムが提供可能となる。今回、車両に搭載可能な非接触給電装置を試作し、構内試験線で試験電車による電力供給試験を実施した結果、走行中・停車中とも非接触での電力供給に成功し、車両の電源装置として使用可能なことを実証した。ここでは、装置の設計と試験結果について報告する。

発表者

浮上式鉄道技術研究部 電磁システム研究室 研究員  浮田 啓悟

16:35~16:55
超電導フライホイール蓄電の特徴と鉄道への応用展開

2015年9月に山梨県米倉山メガソーラ発電所に超電導フライホイール蓄電の実証実験施設が完成し、日照条件に影響され不安定な太陽光発電電力の出力平滑化効果検証を目的とした実証実験が開始された。本発表では鉄道総研が考案した超電導磁気軸受で実現される強力な磁気反発力を利用する超電導フライホイール蓄電の特徴と米倉山での実証実験結果の紹介、さらにこの新しい蓄電技術が電気鉄道の回生失効対策等に有望なことを述べる。

発表者

浮上式鉄道技術研究部 主任研究員(上級)  山下 知久


司会:宮本 岳史 (車両構造技術研究部 車両強度研究室 室長)
   小方 正文 (浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。

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