第312回 鉄道総研月例発表会

日時 2017年08月10日(木) 13:30〜16:55
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 信号・情報通信技術に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
信号・情報通信技術に関する最近の研究開発と展望

鉄道総研では、平成27年度から5年間の予定で、鉄道の将来に向けた研究開発を推進しており、設備の高度な状態監視保全などの基盤となる、鉄道向け情報・ネットワーク技術、およびリアルタイム情報に基づいた列車運行制御に関する研究開発に取り組んでいる。本発表では、発表会後半の小特集の導入として、これらの背景や目指す方向性などを紹介し、ICTをより積極的に活用した将来の列車運行システムの構想に触れる。このほか、運輸分野におけるデータ分析を活用した研究開発の取り組みについても紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 部長 川﨑 邦弘

13:45~14:10
電子連動装置の使用環境を考慮した劣化・寿命評価手法

近年、電子連動装置においては、更新にかかる人的・経済的負担が大きいことから、その更新時期の適正評価が課題となっている。そこで、電子連動装置を構成する各電子部品について、当該装置の使用環境を考慮した部品加速モデルを整理し、モデル計算により得られる値から装置としての寿命を推測する手法の開発を行った。本発表では、電子連動装置の稼働状況ならびにシステム構成について述べるとともに、提案する寿命評価手法について、ケーススタディでの事例を交えながら紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 信号システム研究室 副主任研究員 藤田 浩由

14:10~14:35
慣性センサと速度発電機を併用した線路特徴点検出による列車長算出手法

無線式列車制御システムは、車上装置が認識する列車位置を地上装置に無線伝送することで列車の間隔制御を実現する。そのためには列車の前部と後部の両方の位置が必要であるが、後部位置を列車長で特定する場合、貨物など列車長が固定的でない列車に対して簡易な算出手法が求められる。そこで、列車の前後に設置した慣性センサと前部車両の速度発電機を用いて、前後各車両が曲線箇所での線路特徴点を検出し、その間の走行距離により列車長を算出する手法を提案する。本発表ではこの提案手法と現車試験結果を報告する。

発表者

信号・情報技術研究部 列車制御研究室 室長 岩田 浩司

14:35~15:00
車両間データ伝送用無線通信ネットワーク

鉄道車両の状態を監視することにより、列車の安全・安定運行の向上が期待できる。鉄道車両の状態監視に無線センサーネットワークを適用するためには、車両の増解結によるネットワーク変更や隣接する他列車の車両との混信を考慮して車両間のネットワークを構成する必要がある。そこで、各車両間の通信確認結果から自動で車両間ネットワークを構成する手法を開発し、プロトタイプを用いた検証試験を行った。本発表では、車両状態監視システムの基本構成について述べ、プロトタイプによる検証試験結果について紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 ネットワーク・通信研究室 研究員 岩澤 永照

15:00~15:15
休 憩

小特集 情報ネットワーク技術による列車運行

15:15~15:40
運行管理と保安制御を融合した列車運行制御

リアルタイムに列車位置と時刻を対にした運転曲線を計画し、当該計画に沿って列車運行や地上設備制御を行う、運行管理と保安制御を融合した列車運行制御システムを考案した。本システムの列車制御方法、分岐器・踏切等の地上設備制御方法、および保守作業時間の確保方法について検討を行い、列車制御システムの基本仕様を作成した。また、安全性を確保した運行計画の更新方法、非常時や伝送異常時の制御、ならびに、駅到着時に運転間隔の短縮が期待できる運転制御方法など本システムの適用効果についても紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 列車制御研究室 副主任研究員 杉山 陽一

15:40~16:05
ニューラルネットワークを用いた列車運行の予測手法

正確な列車運行予測の実現は、指令員の運転整理業務の効率化や旅客案内の観点からも極めて重要と考えられる。本研究では、ニューラルネットワークを列車運行予測に適用し、正確な予測手法の確立を目指している。最終目標は、列車の運休が必要になる規模のダイヤ乱れへの適用だが、第一段階として、都市圏内の複数路線の朝ラッシュ時間帯における小規模なダイヤ乱れを対象とした。大都市圏内の線区をモデルケースとして、構築した予測手法の精度を評価した結果から、列車運行予測への適用可能性を紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 運転システム研究室 副主任研究員 辰井 大祐

16:05~16:30
移動閉そく方式の評価が可能な列車運行シミュレータの開発

高密度運転を行う通勤路線では、列車運行の更なる円滑化を目的に、信号方式を固定閉そくから移動閉そくに変更する検討が行われ始めている。しかし、変更による遅延縮小や旅客の旅行時間短縮効果を、定量的かつ詳細に評価する手法は確立していない。そこで本研究では、移動閉そく方式に対応し、列車の実際の運転操作を考慮した列車運行・旅客行動シミュレーションを実用的な計算時間で行う手法を構築したので紹介する。また、実在通勤路線を対象に移動閉そく化による効果を試算したので、その結果についても紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 運転システム研究室 副主任研究員 國松 武俊

16:30~16:55
鉄道運行用統合情報ネットワーク構想

鉄道システムの中では多くの情報が流れているが、従来の情報伝送手段や処理技術には制約があったことから、列車運行に利用される情報は一部に限られている。鉄道総研では、最新のICTを活用して鉄道の運行に関わる種々の情報を鉄道システム内で共有することによって、より安全で柔軟な輸送サービスを実現するための研究に取り組んでいる。本発表では、現在の鉄道システム内における情報の流れについて整理・考察したのち、鉄道の運行に関わる種々の情報を共有するための統合ネットワークの構想と研究状況を紹介する。

発表者

信号・情報技術研究部 ネットワーク・通信研究室 室長 中村 一城


司会:平井 力 (信号・情報技術研究部 運転システム研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。


  • 入場無料
  • ご来場の際には、お名刺を頂戴します。
  • 会場内のビデオ・写真・レコーダ等による撮影および録音等はご遠慮ください。
  • 質問コーナーの設置
    前半の発表件名については休憩時、後半の発表件名については発表会終了後に、質問コーナーを設けますので、発表者に直接ご質問いただけます。
  • 鉄道総研では、5月1日より節電対策としてノーネクタイ運動を実施しております。本発表会でも発表者はネクタイを着用致しませんので、ご理解頂きますようお願い致します。
一覧に戻る
PAGE TOP