第313回 鉄道総研月例発表会

日時 2017年09月20日(水) 13:30〜16:55
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 人間科学に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
人間科学分野における最近の研究開発

鉄道総研人間科学分野では、鉄道システムに関わる人の視点から安全で、便利で、快適な鉄道を考えるヒューマンファクター研究を行っている。最近では鉄道従業員に関する研究としてヒューマンエラー防止や異常時対応教育、事故の聞き取り調査手法など、利用者に関する研究として車内の温熱環境評価や駅の暑熱環境の香気物質の活用、視覚障害者誘導用ブロックの敷設方法など快適性、利便性、安全性向上に貢献する研究開発に取り組んでおり、その概要を報告する。

発表者

人間科学研究部 部長 小美濃 幸司

13:45~14:10
ヒューマンファクター分析(なぜなぜ分析)の留意点と分析支援ツールの開発

ヒューマンエラーの背景要因を分析する「鉄道総研式ヒューマンファクター分析法」では、エラー事象の数が多い場合、調査や分析に時間を要した。そこで、分析を効率化するため、これまでに得られた指導ノウハウから、なぜなぜ分析において、偏った分析になりやすい留意点を整理した。また、広い視点での発想の手がかりを示す簡易な支援ツールを開発した。本発表では、分析の留意点の整理結果と開発した「なぜなぜ分析支援ツール」を紹介する。

発表者

人間科学研究部 安全性解析研究室 研究員 鏑木 俊暁

14:10~14:35
現業管理者のコミュニケ-ションスキル評価手法

鉄道乗務員の作業は現業管理者(助役、指導者)とは場所が離れており、目が届きにくく、悩みや不安を相談しにくい状況にあるため、現業管理者の方から積極的にコミュニケーションの促進に取り組む必要がある。そこで、乗務員からの相談の機会を増やすための管理者の態度や行動を整理し、5つの側面による評価手法を開発した。また、改善への動機づけを高めるための評価結果のフィードバック手法を開発した。本発表では、開発した手法とモニター調査の結果について紹介する。

発表者

人間科学研究部 安全性解析研究室 室長 宮地 由芽子

14:35~15:00
コミュニケーションエラー防止訓練手法の開発

復唱や確認会話はコミュニケーションエラー防止策として知られているが、その効果を定量的に確認したものはなかった。また、復唱や確認会話を効果的に行うためには、何を確認すべきなのかに気づく能力が必要である。そこで、復唱と確認会話の目的や実施方法等を学習することを目的とした「復唱・確認会話学習教材」と、会話内の確認すべき情報に気づく能力を向上させる「情報伝達エラー要因学習教材」を開発した。これらの教材の内容と、学習効果の検証結果について発表する。

発表者

人間科学研究部 安全心理研究室 副主任研究員 中村 竜

15:00~15:15
休 憩

15:15~15:40
判断ミスによる事故防止に向けた意思決定課題の開発

鉄道の作業現場でしばしば発生する判断ミスによる事故を防ぐには、個々人の意思決定の実態を把握した上で教育訓練を実施することが必要だが、現場作業の中で意思決定エラーを把握することは困難である。そこで本研究では、意思決定エラーが発生しやすい環境をパソコン上で抽象的に再現する課題を開発した。さらに、fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて、作業課題を行うと意思決定に関連する脳領域が活性化することを確認したので報告する。

発表者

人間科学研究部 安全心理研究室 副主任研究員 北村 康宏

15:40~16:05
忌避音による鹿接触事故防止技術の提案

近年,走行中の鉄道車両が鹿と接触する事故が増えており,鉄道事業者にとって無視できない問題となっている。鉄道総研ではこれまでに、線路付近での鹿の行動観察や既存対策技術の評価を行ってきた。その一方で、新たな対策開発の取り組みとして、鹿の習性を利用した対策技術の開発に取り組んでいる。特に、音声の利用に着目し、列車が通過する際に沿線から鹿を遠ざけることが出来れば事故回避が出来ると考え、鹿警戒声等の音声に着目して、その効果検証を行ったので報告する。

発表者

人間科学研究部 生物工学研究室 主任研究員 志村 稔

16:05~16:30
踏切事故防止のための歩行者と自動車の実態把握

踏切事故防止のために、踏切でビデオ撮影して歩行者の通行行動を分析し、歩行速度の確率分布(通行モデル)を明らかにした。自動車については、進入時の要因として、室内でアニメーション映像を見て進入タイミングを回答させる実験を行い、進出時の要因として、自動車を踏切に閉じ込め、対処方を聞きとる実験を行った。また、WEB調査も実施した。これらの結果から、歩行者と自動車が遮断後も踏切内に留まってしまう要因を解明し、踏切事故防止対策に資する知見を得たので報告する。

発表者

人間科学研究部 安全心理研究室 室長 井上 貴文

16:30~16:55
暑熱環境において香気が温冷感に及ぼす影響

夏季の駅等の環境改善に向けて、香気物質の利用可能性を検討するため、温湿度が制御された環境において香気を提示するモニター試験を行った。事前検討により、効果の期待されたミントの香気について、暑熱環境における臭気強度、印象、人の温冷感に与える影響等を検討した結果、温冷感が暖かい側から、中立側へ変化する影響が見られた。またこのとき、香気物質の印象として、「冷たい」等の評価が当てはまる方向へ推移していた。本発表では、これらの結果について報告する。

発表者

人間科学研究部 生物工学研究室 副主任研究員 吉江 幸子


司会:水上 直樹(人間科学研究部 人間工学研究室 室長)

※ 第315回月例発表会(12月14日(木)大阪開催)で同じ内容を発表します。

都合により、プログラムを変更することがあります。


  • 入場無料
  • ご来場の際には、お名刺を頂戴します。
  • 会場内のビデオ・写真・レコーダ等による撮影および録音等はご遠慮ください。
  • 質問コーナーの設置
    前半の発表件名については休憩時、後半の発表件名については発表会終了後に、質問コーナーを設けますので、発表者に直接ご質問いただけます。
  • 鉄道総研では、5月1日より節電対策としてノーネクタイ運動を実施しております。本発表会でも発表者はネクタイを着用致しませんので、ご理解頂きますようお願い致します。
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