第316回 鉄道総研月例発表会

日時 2018年01月18日(木) 13:30〜16:55
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 構造物技術に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:40
構造物技術に関する最近の研究開発

平成28年4月に発生した熊本地震や8月の北海道豪雨では、鉄道構造物に被害をもたらし、鉄道運行に支障を及ぼした。一方、大都市の駅部などは利便性向上など鉄道構造物と一体化したリニューアル工事が増加しつつある。このように鉄道構造物を取り巻く技術課題は、建設改良から災害対策と広範に及ぶ。ここでは、鉄道総研が取り組む鉄道構造物の研究開発の方向性を、本日の発表件名の研究開発事例を示しつつ、概説する。

発表者

構造物技術研究部 部長 神田 政幸

13:40~13:58
PCT形桁を用いた補強盛土一体橋梁の設計法の開発

補強盛土一体橋梁は、既に北海道新幹線等で実績があるが、桁をRC床版とする20m以下の短スパンの橋梁が中心であり、今後の適用範囲の拡大には長スパン化が必要である。そこで、長スパン化が可能な桁形式としてPCT形桁を用いた補強盛土一体橋梁の検討を実施した。本発表では、PCT形桁と補強土橋台の接合構造や常時および地震時挙動の検討、試計算等を行い、PCT形桁を含む補強盛土一体橋梁の設計法を取り纏めたので紹介する。

発表者

構造物技術研究部 コンクリート構造研究室 副主任研究員 轟 俊太朗

13:58~14:16
駅部に適用可能な矩形断面コンクリート充填鋼管柱の設計法 ※

鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼とコンクリートの複合構造物)に示されるコンクリート充填鋼管(CFT)部材の変形性能算定法は、円形断面のみが対象となっている。一方、駅ビルなどの建築・土木一体構造における建築柱は、一般に矩形断面であることが多いため、建築柱と土木柱の接合に関する施工性等の観点から、矩形断面CFTは円形断面CFT柱よりも有利であると考えられる。本発表では、矩形断面CFT部材の部材性能の設計方法について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 鋼・複合構造研究室 副主任研究員 中田 裕喜

14:16~14:34
天井支持部材の特性を考慮した駅舎天井の設計用地震力算定法 ※

駅舎の天井は、高架下駅のように漏水対策のための防水天井から吊り下げる場合や、橋上駅のように溝型鋼等の横架材から吊り下げる場合等、一般建築物とは異なる支持構造形式となる。このような駅天井の耐震性を評価するには、天井の支持構造部が十分な剛性や強度を有していることを確認すると共に、仕上天井に作用する地震力を適切に考慮する必要がある。そこで、駅舎天井の支持構造部を考慮した吊り天井の動的実験と解析的検討を実施し、設計用地震力の算定方法を提案したので、それらの結果について報告する。

発表者

構造物技術研究部 建築研究室 副主任研究員 清水 克将

14:34~14:52
狭隘部に施工するあと施工アンカーの設計法の開発

あと施工アンカーは、コンクリート構造物の補強や付属物の取り付けなどに広く用いられている技術である。近年、その信頼性が社会的な問題となっているため、あと施工アンカーに用いられる材料や定着方法をパラメータにした実験により力学的性能を把握した。また、狭隘箇所への施工が引抜き耐力におよぼす影響を実験およびFEM解析により明らかにした。本発表では、これらの検証結果とそれに基づき提案した設計手法について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 コンクリート構造研究室 研究員 角野 拓真

14:52~15:10
ウェアラブルデバイスを用いた駅構内における群集密度と歩行速度の計測手法

駅構内の旅客の流動状況の把握に関しては、コンピューター技術の進歩に伴い流動シミュレーションによる解析が一般的になってきている。一方、シミュレーションの中で移動する旅客の行動モデルについては、旅客の歩行速度等の計測手法が確立されていないこともあり、体系的にまとめられていない現状がある。そこで、今後の旅客流動データベース構築に資する旅客の歩行速度等の計測手法として、携帯型の計測装置を用いた手法を開発したので紹介する。

発表者

構造物技術研究部 建築研究室 副主任研究員 石突 光隆

15:10~15:25
休 憩

15:25~15:43
支点部の隙や移動を生じた既設鋼桁端部の耐力評価法

出水や地震により脚が傾斜すると、鋼桁支点部において‘隙’や‘支点移動’といった支持状態の変化が生じ、鋼桁が適正に支持されないことに伴う応力集中により、桁端部の圧縮耐力が低下する。そこで、鋼桁端部の実物大試験体に対し、これらの支持状態の変化を再現した載荷試験や、脚が傾斜した場合の列車荷重に対する主桁の荷重分担割合の変化を再現したFEM解析を行い、支持状態が変化した場合の耐力・作用の双方を総合的に考慮して鋼桁の安全性評価を行った。本発表では、これらの一連の検討について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 鋼・複合構造研究室 副主任研究員 吉田 善紀

15:43~16:01
液状化地盤中における既設杭基礎のシートパイル補強工法

地震により液状化が発生すると地盤は急激に剛性ならびに強度を失い、杭基礎に大きな被害が発生する。これまでに既設杭基礎の液状化対策工法として提案された増し杭工法や地盤改良工法は基礎寸法の大幅な拡幅が必要であるため、特に狭隘区間の構造物に対しては非常に困難であった。そこで、寸法の大幅な拡幅が不要で施工性・経済性に優れた液状化対策工法を目指し、支持力および断面剛性に優れる先端加工鋼矢板を併用したシートパイル補強工法を開発したので紹介する。

発表者

構造物技術研究部 基礎・土構造研究室 主任研究員 西岡 英俊

16:01~16:19
狭隘地に位置する橋台の耐震補強工法の開発 ※

橋台は、橋梁・高架橋と盛土の境界に位置する構造物である。過去の地震においては、背面盛土の沈下により軌道変位を招いた事例が数多く報告されており、列車走行安全性を確保するためには橋台の耐震補強が重要となる。一方で、これまでに提案されている耐震補強工法は、施工時に橋台前面を占有する必要があるため、施工の実施が難しい場合が多い。そこで、橋台前面を占有せずに施工可能な耐震補強工法を開発し、模型実験を通じて設計法の提案を行ったので、これを紹介する。

発表者

構造物技術研究部 基礎・土構造研究室 室長 渡辺 健治

16:19~16:37
地山改良型ロックボルトの開発 ※

山岳トンネル供用後の地圧作用によるトンネル変形対策として、ロックボルトが用いられることも多いが、通常のロックボルトでは、地山の緩みが著しい場合は十分な定着力を確保できないという問題があった。そこで、そのような地山でも効果を発揮するロックボルトとして、先端を膨張モルタルで確実に定着させ、地山の緩み領域をウレタンで改良する地山改良型ロックボルトを開発した。本発表では、その工法の概要と試験施工結果を紹介する。

発表者

構造物技術研究部 トンネル研究室 副主任研究員 嶋本 敬介

16:37~16:55
ポリウレア樹脂吹付けによるトンネル覆工剥落対策工法の開発

山岳トンネルの覆工は、経年や施工時の不具合などにより剥落を生じることがある。そこで、ポリウレア樹脂を表面に吹き付ける方式のトンネル覆工剥落対策工法を開発した。本工法は、不陸や凹凸に強く、覆工の広い面積に対し短時間で施工する事が可能という特徴を有する。本発表では、実験による剥落防止効果の検証の結果や、実トンネルにおける試験施工の結果について紹介する。

発表者

構造物技術研究部 トンネル研究室 主任研究員 野城 一栄


司会 : 岡本 大 (構造物技術研究部 鋼・複合構造研究室 室長)

※ 第318回月例発表会(3月5日(月)大阪開催)で同じ内容を発表します。 

都合により、プログラムを変更することがあります。


  • 入場無料
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  • 質問コーナーの設置
    前半の発表件名については休憩時、後半の発表件名については発表会終了後に、質問コーナーを設けますので、発表者に直接ご質問いただけます。
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