平成15年度 文部科学大臣賞【創意工夫功労者】

受賞業績:台車火災検知装置の考案
受 賞 者:狩野 泰(かりの やすし)
 
【業績】
  リニア車両の台車には、車輪ディスクブレーキを組み込んだ脚装置まわりの火災検知システムとして、従来は熱電対を応用したワイヤ(線状)センサを採用し、脚装置の周囲に張り巡らして、温度がある一定温度以上に達すると火災発生として検知するシステムとしていた。この方式では、温度を線分布でしか検知できないことや、走行中の微少な飛来物でもワイヤに傷が生じやすく、誤検知や検知不能になる弱点を持っていた。
  そこで本件では、対象物周りの温度分布を離れた位置から2次元的に把握する方法として、赤外線カメラを採用し、対象物から輻射される赤外線(熱エネルギー)を電気信号に変換して画像処理し、一定温度以上の部分が一定面積以上になった時に、火災発生として検知するシステムを開発した。
  また、本方式による応用処理として、温度別面積に基づく分布を作成し、通常の分布以外に、高温又は温度部分について、別の温度帯域による分布の存在の有無を判断してタイヤ傷を検出することが可能となる。更に、温度と時間とに基づいた摩耗度を算出して累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行うこともできるという2次元的な効用も得られる。


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