「第1回LRTに関する技術検討会」が開催されました

平成17年5月20日
財団法人 鉄道総合技術研究所

 財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)は、地球環境に優しいことなどから、近年注目を集めているLRT(Light Rail Transit)に関する技術検討会の第1回を、下記により開催いたしましたのでお知らせいたします。
 今回の技術検討会には、国土交通省および全国の12の自治体や6つの鉄道事業者などから60名以上の方々にご参加頂き、活発な議論、検討を行いました。
 委員長である東京大学須田義大教授から第1回技術検討会の開催にあたり、「LRTは、日本ではなかなか進まなかったが、日本独自のライトレールが展開されていくことを期待している。」との挨拶がありました。
 なお、「LRTに関する技術検討会」は、今後3年間行うことが予定されています。

1.開催日時:平成17年5月19日(木)14時半から17時
2.開催場所:東京弥生会館(東京都文京区)
3.議事
 (1)委託者側挨拶(白取 健治:鉄道総研 理事)
 (2)委員長挨拶(須田 義大:東京大学 教授)
 (3)委員紹介
 (4)検討会の趣旨および検討スケジュール
 (5)検討項目
@架線レストラム
A簡易な信号システム
B運行管理システム・誘導案内システム
C複合交通システムほか
 (6)今後の予定
 (7)アンケート調査
4.検討の進め方
  技術検討会を円滑に進めるため、検討会のもとに技術評価を行う評価分科会と、フィジビリティスタディを行うFS分科会を設置する。
  評価分科会では、
 ・技術評価の観点から、実用化に必要な評価項目の決定。
 ・評価項目に対する、シミュレーションや実験による結果の報告。
 ・評価項目の設定や、実用化に向けたアドバイスを受ける。
  FS分科会では、
 ・導入を検討している鉄道事業者や自治体の協力を得て、設備の仕様、需要予測、設定 路線に対する工事費用、保守費用、省エネルギー効果を初めとする波及効果などをケー ススタディする。
5.主な検討結果
 @架線レストラム
・省エネ効果、省メンテナンスおよび景観の向上等の効果が期待できる。
・初期投資等のコストアップ部分があるが、架線の保守費用が不要なため、初期投資分の回収が可能である。
・今後3年程度で、バッテリーの改良、充電方式の検討など研究開発を行う。
・分科会の中で車両の軽量化および走行性能とバッテリー能力の関係などの検討も行う。
・検討は、まず日本での実用化を目指し、必要があれば海外展開も考えていく。
 A簡易な信号システム
・本年度中に、信号システムについての要件を整理する。
・トロリーコンタクトにかわる検知以外の多目的に使用できる簡易なシステムを現状技術 で構築することが可能。
・LRTの軌道上にバス等の車両が入ることも想定されるので、LRT単独の場合や他の 交通機関との総合的なシステムも考慮する。
・既存の交通機関との整合性を考えていく。
 B運行管理システム・誘導案内システム
・LRT導入についての重要なテーマである。
・運賃収受についても具体的な検討が必要である。
・乗り換え時の料金の問題、割引や需要との関係、まちづくりとの連携を考えると面白い。
・バリアフリーについても検討を行う。
 C複合交通システムほか
・コンセプトを整理して、できれば具体的なイメージを考えていく。
・地下鉄やローカル線にLRTやガイドウェイバスが入ることも考えられる。既存システ ムの利用も含めて考えていく。

 次回は、鉄道総研にて10月に開催予定


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写真 挨拶を行う須田委員長




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