鉄道総研は国の研究機関まで遡ると、今年で設立から100年の歴史を有すこととなる。この間、皆さんの先輩方は優れた業績を残し、組織としても個々の専門家としても、社会から信頼される今日の鉄道総研を築いてきた。
昨今は、社会環境が大きく変化し、技術が急速に進展しているが、そのような中、皆さんは鉄道の研究開発を志望して鉄道総研に入社し、今日から、鉄道総研の一員となった。鉄道総研がこれからも鉄道の技術革新をリードする存在として社会の期待に応えていくには、さらなる努力が必要である。それには皆さんの一人ひとりが技術ポテンシャルを高めるとともに、交通システム全体という社会的な視点で鉄道の技術革新にチャレンジすることが必要である。
そこで、一人の先輩として二点を話したい。
一点目として、鉄道には、まだまだ研究開発の種が多くある。自分がどのような技術の専門家を目指すかの「道」をできるだけ早く定めて、10年から15年以内には、この技術に関しては誰にも負けないといった第一人者になるべく志と気概をもって日々研鑽してほしい。
二点目は、鉄道総研は鉄道の実務に役立つ研究と技術開発を行う機関であるが、学会活動等も積極的に行って、できるだけ若いうちに学位を取得することを推奨する。
一日も早く、鉄道総研の生活に慣れ、活躍されることを祈念し、入社式の挨拶に代える。
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