在来線電車駆動用の大出力全閉形永久磁石同期主電動機を開発しました

平成19年 7月13日
財団法人 鉄道総合技術研究所

 財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)は、在来線電車駆動用の高効率で保守の省力化等が可能な大出力全閉形永久磁石同期主電動機を開発いたしましたのでお知らせします。

 現在、在来線電車駆動用の主電動機(モーター)には、主に誘導電動機が使用されていますが、誘導電動機では回転子に誘導電流を流す必要があるため、エネルギー効率が同期電動機に比べてやや低くなっています。
 また、冷却方式として電動機内部を外気で直接冷却する通風冷却方式を採用しているため、定期的な分解清掃等の保守が必要となっています。加えて、高速回転時には冷却ファンによる騒音が大きくなるため、沿線環境への課題もありました。
 今回開発した永久磁石同期電動機は、走行時の消費電力が誘導電動機に比べて約1割削減できるとともに、電動機を密封できる新たな冷却方式を開発したことにより、分解清掃等が不要となり、電動機内の冷却に伴う発生音を遮断できるため、従来型と比べ発生音を7dB低減することを確認しました。
 一方、出力は日本の在来線における最高出力の主電動機と同等となる270kWを達成しました。また、実際の車両に搭載した走行試験によって制御性能や騒音低減効果等を確認しました。

 なお、今回の開発にあたっては、JR西日本殿のご協力を得ました。


(写真 主電動機外観)


(図 新しい主電動機縦断面図)


(図 従来の主電動機縦断面図)



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