大型振動試験装置の概要


平成20年11月17日
財団法人鉄道総合技術研究所

1. 目的

この度、鉄道の大規模地震に対する被害低減、今後の耐震対策等の開発に資することを目的に、地震動の模擬や鉄道車両用台車の水平2次元加振が可能な「大型振動試験装置」を製作いたしました。
 なお、本試験装置は国土交通省からの補助金を受けて製作したもので、平成20年10月31日に竣工いたしました。

2. 振動試験装置の概要
 主な特徴は以下のとおりです。
(1) 本試験装置は最大変位振幅±100cm(片振幅)の加振が可能です。この性能は国内・海外の同様な振動試験装置の内、最大級の加振性能です(表1)。
(2) 試験時に周辺住宅で地盤振動が起こらないように、振動試験装置基礎にはフローティング構造(空気バネによる免振支承)を採用しました。空気バネは52個配置され、装置を含めた約2,600tの荷重を支えています。
(3) フローティング構造をとるため、フローティングで支えているものの揺れ戻しの影響で振動試験装置の波形が乱れることが懸念されます。そこで、波形を乱すことなく試験が実施できるような反力補償技術を導入しました。
3. 今後の使用予定
今後、車両、軌道、構造物、地盤の耐震に関する研究推進のための基盤試験設備として使用する予定です。具体的には下記の開発等に使用する予定です。
(1)軌道の大規模地震対策法の開発
(2)RC高架橋柱の大地震時の破壊挙動の解明と対策工の開発
(3)大地震時の地盤の液状化挙動解明と対策法の開発
(4)各種免振装置の効果検証と新しい免振構造の提案
(5)大地震時における車両の脱線挙動の解明と対策法の開発
(6) 電化線柱や建築上屋などの耐震対策に関する研究
 





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