「鉄道構造物の診断エキスパート養成研修」を開催しました

平成20年12月 4日
財団法人 鉄道総合技術研究所

 財団法人鉄道総合技術研究所では、鉄道構造物の維持管理にかかわる技術者の養成を目的として、平成18年度より「鉄道構造物の診断エキスパート養成研修」を開催しております。本年度の養成研修を下記により行いましたのでお知らせいたします。

 我が国の鉄道土木構造物は、古くから整備されてきたものも多く、その一部で老朽化が進んでいます。加えて早期劣化を生じた構造物も散見されており、継続的な利用のためにも維持管理の重要性が増している現状にあります。また、構造物診断に携わる熟練技術者が大量退職時期を迎えている現状を踏まえると、高い専門知識を有する技術者の養成が急務となっています。
 このような背景のもと、鉄道総研では、鉄道維持管理技術の基礎から応用に至る幅広い内容を取り扱う各種講習会を開催してきました。本研修「鉄道構造物の診断エキスパート養成研修」は、平成18年度から開始して今回で3回目の開催となります。本研修では、机上講習だけでなく実際の土木構造物を対象とした現場実習を行うことにより、鉄道構造物の維持管理(個別検査レベル)に携わる高い専門知識を有する技術者を育成することを目的としております。
 なお、現場実習につきましては、南海電気鉄道株式会社殿に全面的な御協力を頂き、管内の実鉄道構造物を対象に実施いたしました。
 今回の研修には、鉄道事業者、調査コンサルタント会社から32名の方々にご参加頂きました。参加者からは、「講習を受けた後、現場で実習を行い、更にその結果を基に実際に計算してみるという流れは非常に良いと思う。」「座学では、測定するポイントについて分かりやすく説明して頂いたので今まで理由が分からず測定していたことが理解できた。今後の検査に活かせるので良かった。」「IMPACTVを実際に使うことができて良かった。」「2回目の参加になりますが、前回の研修後、エキスパート研修に関係する内容の仕事に就いたので、実際の体験と合わせることで理解が深まると思って参加した。」等の評価を得ました。


 
1.開催日時  平成20年11月25日(火)〜28日(金)
2.場   所  机上講習 南海電鉄本社8階第1会議室/河内長野荘
現地研修 南海電鉄管内
3.プログラム
   <第1日目> 平成20年11月25日(火) 13:35〜16:30
時間 講義内容 担当講師
13:20〜13:30 受付・オリエンテーション
13:30〜13:35 開講挨拶 事業推進室 構造物メンテナンス
担当部長 菊地  誠
13:35〜16:30 机上講習 斜面調査のポイント 防災技術研究部 地盤防災研究室
副主任研究員 布川 修


   <第二日目> 平成20年11月26日(水)  8:50〜17:50
時間 講義内容 担当講師
8:50〜 9:20 机上講習 現場実習時の作業内容 防災技術研究部 地盤防災研究室
副主任研究員 布川 修
9:45〜11:00 現場実習 斜面調査の方法
12:30〜13:30 机上講習 斜面の健全度評価
13:40〜14:40 机上講習 衝撃振動試験概論 (株)ジェイアール総研エンジニアリング
西村昭彦 副社長
14:50〜17:20 机上講習 下部構造物の調査のポイント 構造物技術研究部 基礎・土構造研究室
副主任研究員 篠田 昌弘
17:20〜17:50 机上講習 構造物検査に関する新技術 鉄道力学研究部 構造力学研究室
主任研究員 上半 文昭


   <第三日目> 平成20年11月27日(木)  9:00〜17:50
時間 講義内容 担当講師
9:00〜11:00 現場実習 橋梁下部構造物の調査の方法 構造物技術研究部 基礎・土構造研究室
副主任研究員 篠田 昌弘
研究員 大村 寛和
現場実習 構造物検査に関する新技術 鉄道力学研究部 構造力学研究室
主任研究員 上半 文昭
13:30〜13:35 挨拶 事業推進室長
小西 真治
12:35〜14:30 机上講習 橋脚の健全度評価 構造物技術研究部 基礎・土構造研究室
副主任研究員 篠田 昌弘
14:40〜17:50 机上講習 上部構造物(鋼桁)の維持管理 構造物技術研究部
鋼・複合構造研究室長 杉本 一朗


   <第四日目> 平成20年11月28日(金) 9:00〜11:30
時間 講義内容 担当講師
9:00〜11:30 現場実習 上部構造物(鋼桁)の調査の方法 構造物技術研究部 
鋼・複合構造研究室長 杉本 一朗



南海電鉄管内の橋梁下部構造物を用いた現場実習
(IMPACTVを用いた衝撃振動試験:加振方法の実習)



南海電鉄管内の橋梁下部構造物を用いた現場実習
(IMPACTVを用いた衝撃振動試験:データの取込実習)



机上講習時の様子
(IMPACTVを用いた衝撃振動試験:実測値の検証)




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