横風による車両の転覆に関する研究

強風時の安全性を保ちつつ効率的な運転規制を行うため、車両が転覆する風速を精度よく推定する研究をしています。

近年、鉄道車両は、騒音・振動等の環境問題や省エネルギーの観点から軽量化が進み、また走行速度の向上と相まって、横風に対して不利な状況にさらされています。

強風時の走行安全性を保ちつつ効率的な運転規制を行うためには、車両の転覆限界風速(風上側の輪重がゼロになる風速)を精度よく推定することが必要です。そこで、転覆限界風速を計算するために現在用いられている静的解析式(総研詳細式)の適用範囲を確認するために、車体形状や台車のばね系を忠実に再現した縮尺1/10車両模型(図1)を用いた横風下走行試験を行い、急激な風の立ち上がりに対する車両の応答を確認しました。また、シミュレーションによるパラメータスタディを行い、横風の立ち上がり時間や立ち上がり幅が、車両の挙動に及ぼす影響を調べました。その結果、横風の立ち上がり時間が3秒程度よりも緩やかであれば、静的解析式でも転覆に対する安全性を概ね適切に評価できることが明らかになりました。逆に、3秒程度よりも短い場合には、風の立ち上がり時間が短いほど、また立ち上がり幅が大きいほど、輪重減少率の最大値が大きくなることがわかりました(図2)。

図1 縮尺1/10車両模型
図2 立ち上がり時間と輪重減少率最大値との関係

参考文献

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