鉄道車両の乗り心地測定および評価

車両の左右・上下・前後方向の加速度を測定して、乗り心地の評価をします。

1.鉄道車両の乗り心地の要素

乗り心地を左右する要素には車両の振動や衝撃をはじめとして、車内のスペースや腰掛けの座り心地、混雑度、騒音、換気、温度、湿度、風速、照明、色彩、各部形状・触感などの内装デザイン等幅広くあります。これらのうち、乗り心地に最も影響するのは車両の動揺や衝撃で、乗客が受ける左右・上下・前後方向の加速度です。

2.乗り心地を左右する車両の動揺

乗り心地を左右する左右・上下・前後方向の加速度には振動加速度・定常加速度・加速度変化率があります。しかし乗客が感じる加速度に対する感覚は方向と大きさと性質によって異なり、乗客自身の身体の状態によっても変化します。さらに乗客の感覚にさらされている振動加速度の継続時間によっても大きな影響を受けます。

3.乗り心地の基準

乗り心地係数

車両の左右・上下・前後方向の振動加速度の大きさと周波数によって乗り心地係数を設定し乗り心地を評価します。(図1)

図1 乗り心地評価図

乗り心地レベル

測定された車体振動加速度に等感覚曲線(図2)を用いた重み付け補正を行い、補正した振動加速度の実効値から乗り心地レベルLT (dB)を求めます。求めた乗り心地レベルの大きさで乗り心地を評価します。(図3)

図2 等感覚曲線
図3 乗り心地レベルと振動区分

4.新しい乗り心地測定

持ち運びが簡単で簡便に振動乗り心地が測定できるデジタル動揺計を開発しました。動揺データと他データとを並列して収録する場合や、動揺データを監視しながらパソコンのハードディスクへデータを収録するモニタータイプのデジタル動揺計を示します(図4)。この場合、ノートパソコンの性能にもよりますが、デジタル動揺計を3台まで並列に接続することができます。 無人で長時間動揺データを記録する場合や、数多くの測定箇所で動揺を測定する場合に有効な、無人タイプのデジタル動揺計を示します(図5)。このタイプでは、デジタル動揺計に市販のUSBメモリを接続してデータを記録します。データ収録の動作開始・終了の指令は、リモコンスイッチによって行います。この時、リモコンスイッチから各動揺計に時刻情報を転送し、各々のデータはこの情報によって同期します。無人タイプの動揺計では、モニタータイプにあった接続台数の制限はありません。いずれの場合にも乗り心地評価結果は市販の表計算ソフトで表示され、自由に加工できます。

図4 モニタータイプのデジタル動揺計
図5 無人タイプのデジタル動揺計
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