可変減衰上下動ダンパを用いた制振制御システム

台車枠と車体の間(2次ばね系)の上下方向の減衰を制御することにより乗り心地を向上するシステムを開発しました。

ローカル線のように整備水準が低い線区では、レールの継目通過に伴って発生する1~2Hzの上下方向の車体剛体振動が乗り心地に大きな影響を与えている場合があります。このような振動に対して、台車枠と車体の間のばね系(2次ばね系)に制御技術を導入することにより振動を抑制するシステムを開発しました。

可変減衰機能を持つ上下方向の油圧ダンパをまくらばね(空気ばね)と並列に取り付け、このダンパの減衰力を加速度センサで測定した車体の振動に合わせて制御し、振動を抑制します(図1)。

図1 制振制御システムの構成

開発したシステムを在来線電車に取り付け、65km/hで走行した際の車体上下振動加速度パワースペクトル密度 (PSD)を図2に示します。レール継目を通過した際に発生する車体の剛体振動のピークが1~2Hzに見られますが、上下動ダンパの制御によりこのピーク値を大幅に低減する効果が得られました。

図2 在来線電車での走行試験結果
(速度65km/h、台車直上での上下振動の強さ)

本システムは、2011年3月から営業運転を開始したJR九州の観光特急列車「指宿のたまて箱」に搭載され(図3)、鉄道用の上下振動制御システムとして世界で初めて実用化されました。また、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の全客車(7両)、「はやとの風」、「或る列車」、「ゆふいんの森(1世号)」などに搭載され(図4)、乗り心地の向上に貢献しています。

図3 コイルばね台車への適用事例(指宿のたまて箱)
図4 空気ばね台車への適用事例(ななつ星 in 九州)

※ 九州旅客鉄道(株)殿の許可を得て、写真および図を掲載しています。

関連ページ

参考文献

PAGE TOP