ハイブリッドシミュレータによる車両運動特性評価法の開発

シミュレーションと実物を連動させるHILS技術を応用し、本線走行試験を実験室で行う研究を進めています。

1.概要

コンピュータによるリアルタイムシミュレーションと実物の機器を連動させるHILS (Hardware-In-the-Loop Simulation) 技術を応用し、車両開発に欠かせない本線走行試験を実験室で行う研究を進めています。

本線走行試験は、通常数十kmの試験区間が必要で、コストのかかる大規模な試験となります。さらに、日本では専用の試験線がなく、営業時間外に営業線で試験せざるを得ないため、十分な回数の試験を行うことは困難です。実験室での走行試験環境ができれば、本線走行前の十分な確認・調整が可能になり、車両開発の効率化が図れます。

2.仮想編成走行試験

これまでの車両試験台は、単車状態で車両の運動特性を評価する装置でした。HILSによって隣接車両の運動を模擬することで、車両試験台に載せた1両の実物車両を用いて編成走行の模擬試験を可能にします。

3.可変特性試験台車

従来、台車開発は (1)企画→(2)設計→(3)試作→(4)試験→(5)改良→(6)量産という流れで行われていますが、試作から改良にいたる過程は多くのコストと時間を要します。特性をソフトウェアで自由に変えられる可変特性試験台車を開発し、試作前に大まかな性能試験を行うことで開発期間の短縮や開発コストの軽減を目指しています。

図1 仮想編成走行試験環境
車両の両端にある車体間運動模擬装置で隣接車両の運動を模擬します。
図2 システムの構成
隣接車両の運動は、軌道不整データを用いてリアルタイムシミュレータで計算し、車体間運動模擬装置を動かして模擬します。実物車両は、同じ軌道不整データによって実際に加振します。車体同士を結合する部品には反力が発生するので、その力をシミュレータにフィードバックすることで、実物とシミュレーションが連動し、仮想的な編成走行状態がつくられます。
図3 可変特性試験台車
電動式アクチュエータを制御して軸箱支持装置、ヨーダンパ、左右動ダンパ、空気ばねの特性を変えられるようにしました。各アクチュエータは、制御装置に設定された部品の目標特性になるように制御され、見かけ上、設計特性のばねやダンパが実際に付いているように振舞います。
動画 仮想編成走行模擬試験の様子
画面の左側に向かって走行する状態を模擬しています。

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参考文献

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