微小突起車輪による走行安全性の改善

車輪削正で生じる程度の大きさの「微小凹凸」を車輪踏面に設けることで、曲線走行性能を向上させる手法の開発を進めています。

鉄道車両が曲線を走行する際に作用する定常横圧を低減させるため、フランジと反対側の車輪踏面に一条の微小凹凸を設けた微小突起車輪 (Micro-ribbed wheel tread)を開発しました(図1)。これは、台車内の先頭輪軸が曲線を走行する際、曲線内側の車輪とレールの接触位置がフランジと反対側に移動する性質を利用したもので、車輪踏面のレールとの接触位置にあらかじめ適切な形状で微小凹凸を設けると、車輪とレール間の接触面形状が変化するので、基礎的な室内実験の結果によると、この部分に作用する接線力が小さくなり曲線走行時の走行安全性が向上できることになります。

図1 微小突起車輪

微小突起車輪の走行安全性向上効果を確認するため、鉄道総研の構内試験線で実物車両を用いた走行試験を実施し、その有効性の確認を行いました。その結果、大気が乾燥して車輪とレール間の摩擦係数が大きい走行安全性に対して厳しい条件において、通常車輪を使った場合より曲線走行時の外軌側脱線係数の最大値が抑えられました。今後、様々な条件でデータを蓄積し、本手法の有効性を検証していきます(図2)。

図2 構内走行試験による横圧低減効果
(曲線半径160m、カント90mm、速度10~15km/h)

参考文献

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