台車枠溶接部の強度評価

台車枠溶接部の疲労き裂は、(1) 表側溶接止端部、(2) 裏側溶接止端部、(3) 溶接ルート部等から発生し、溶接品質不良、不十分な強度判定法の適用等が主な発生原因です。

(1) 表側溶接止端部については、従来の評価法であるJIS E 4207「鉄道車両—台車—台車枠設計通則」の応力限界図により強度評価が可能ですが、(2) 裏側溶接止端部や(3) 溶接ルート部の強度評価は行われていませんでした。また、応力限界図による従来の評価法では寿命評価が不可能でした。

そこで、破壊力学的手法および日本鋼構造協会の疲労設計指針の応用による評価法を検討し、台車枠の代表的な溶接継手について、判定曲線と累積被害度を用いた評価法を開発しました(図1参照)。