速度センサを用いない空転滑走検出方法

速度センサレスベクトル制御の実用化を見据え、速度センサ情報の代わりに主電動機電流情報を用いる、新しい空転・滑走検出方法を提案しました。

本研究では、最近盛んに研究されている速度センサレスベクトル制御の実用化を見据え、速度センサ情報の代わりに主電動機電流情報を用いる、新しい空転・滑走検出方法を提案しました。

通常、ベクトル制御では、インバータ出力電流が一定となるように制御しています(図1)。この状態では、ある一つの車軸が空転滑走を始めた場合、空転した車軸の主電動機電流は急激に減少し、一方空転していない車軸の主電動機電流は急激に増加します(図2)。各主電動機の電流差に着目することで、空転しているかどうかが判断できそうです。そこで、電流センサと速度センサから算出した空転速度差の関係を図3に示します。これにより、新しい空転・滑走検出方式として十分使える見通しを得ました。

図1 速度センサを用いない空転・滑走検出方式の概要
図2 空転時の速度と電動機電流
図3 各センサ情報による速度差

なお、本研究は運輸施設整備事業団(現:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の「運輸分野における基礎的研究推進制度」により実施しました。

参考文献

  1. 山下道寛、渡邉朝紀:電気鉄道車両の主電動機電流に着目した空転検知、電気学会産業応用部門大会、2002.08
  2. 山下道寛、渡邉朝紀:主電動機電流に着目した空転検知、電気学会交通電気鉄道・リニアドライブ合同研究会、2002.07
  3. 山下道寛、渡邉朝紀、柳沼正博:主電動機電流差による空転検知—複数台誘導電動機駆動電車の試験結果—、電気学会全国大会、2002.03
  4. 山下道寛、渡邉朝紀:複数台誘導電動機駆動における粘着力推定を用いた速度センサレス再粘着制御、電気学会産業応用部門大会、2000.08
  5. 山下道寛、渡邉朝紀:複数台誘導電動機駆動における速度センサレス再粘着制御の一方式、電気学会交通電気鉄道・リニアドライブ合同研究会、2000.07
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