弾性構造型合成制輪子

合成制輪子の耐水性能向上と、車輪踏面への熱負荷軽減を目的に制輪子の構造を改良した「弾性構造型合成制輪子」をです。

在来線車両で使われる制輪子(制動時に車輪へ押付けて摩擦力を得る部品)には、金属を母材とした制輪子のほかに、合成樹脂を母材とした「合成制輪子」があります。

合成制輪子は軽量で摩耗が少なく安価な一方で、摩擦面に水が入ると摩擦係数が低下しやすい傾向にあり、この影響を軽減するため、硬質粒子や金属ブロックを挿入して耐水性能を向上させた合成制輪子が広く用いられています。

本研究では、合成制輪子のさらなる耐水性能向上と、車輪踏面への熱負荷軽減を目指して、制輪子の構造を改良して車輪との接触状態を改善した「弾性構造型合成制輪子」を開発しました。 開発した制輪子は、従来の金属ブロックを粉体化して母材内に分散させるとともに、中央部に弾性材を配置し、制輪子全体の剛性を保ちながら接触状態を改善しています(図1)。

図1 制輪子と車輪の接触モデルを用いた応力解析結果

この接触状態の改善効果は、安定した摩擦力の確保に加え、ブレーキ中の車輪踏面温度にも表れ(図2)、車輪踏面への熱負荷軽減も期待できます。

図2 ブレーキ中の車輪踏面温度分布

実際に2両編成車両を使ったブレーキ性能試験では、散水量が従来と同じ湿潤条件で既存品よりもブレーキ距離を約10%短縮する効果があり、さらに散水量を増やしても十分なブレーキ性能が得られることを確認しています(図3)。

図3 ブレーキ性能試験の結果(停止ブレーキ距離)

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参考文献

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