既設構造物のモニタリングシステムの開発

地震時における高架橋柱の損傷や,経時変化によるRC構造物の変状を検知するモニタリングシステムの開発を行っています。

1.地震時高架橋柱損傷検知システムの開発

地震時に柱端部に生じる最大の柱の傾き(最大応答部材角)と柱に発生する損傷(損傷レベル)の関係は概ね把握されています。最大応答部材角を測定できれば、地震後早期に柱の損傷レベルの評価が可能となり、被災後の復旧作業の効率化や、地震発生から列車運行再開までの時間短縮が可能となります。そこで、最大変位を記憶する無電源方式のセンサー「ピークセンサー」により、柱の最大応答部材角を測定する部材角測定装置を開発し、これを用いたRC柱の損傷レベル検知システムの開発をしています。

これまでの検討で、装置の測定誤差は10%程度であること、鉄道ラーメン高架橋群のモデル線区(延長約5km)による数値シミュレーションにより、等価固有周期の短い箇所と長い箇所に装置を設置することで、設置していない箇所の推定誤差は20%程度であることが分かっています。

これらの研究の一部は、国土交通省による補助金を受けて実施しています。

2.導電塗料を用いた鉄筋コンクリート構造物の変状検知システムの開発

鋼材腐食に伴って生じるかぶりコンクリートのはく離・はく落は、高架下利用箇所等では第三者被害を発生させる可能性があり、これらの変状につながるコンクリート表面の腐食ひび割れを早期に発見する必要があります。そこで、導電性を有する塗料「導電塗料」により、塗料の破断の有無でひび割れを検知する手法を開発し、RC構造物における鋼材腐食等に起因するひび割れを検知するモニタリングシステムの開発を行っています。

これまでの検討により、スプレーガンを用いて塗料を塗布し塗布厚を小さくすることにより、幅0.3mm程度のひび割れを検知出来ることや、RCラーメン高架橋の中間スラブに対し6ライン程度設置することで、導電塗料の破断により、はく離・はく落の発生前に概ね検知できること等を明らかにしました。

図1 部材各角測定装置の概要
図2 部材測定装置の設置状況
図3 ひび割れ検知システムの概念図
図4 ひび割れ検知システムの設置状況

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参考文献

  1. 仁平達也、田中寿志、曽我部正道、岡本大、羽田明生、野末道子:導電塗料を用いたRC構造物の変状検知モニタリングシステムの開発、第21回鉄道技術・政策連合シンポジウム(J-rail2014)、S2-13-2、2014.12
  2. 田中寿志、仁平達也、曽我部正道、岡本大:スプレーガンを用いた導電塗料による鉄筋コンクリート表面のひび割れ検知手法の高精度化、第14回コンクリート構造物の補修,補強,アップグレードシンポジウム、pp.581-586、2014.10
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