ゴムラテックスモルタルを用いた低騒音鋼・複合橋の開発

鋼・複合橋への騒音対策として、鋼板にゴムラテックスモルタルを吹付けて振動を抑える方法を開発しました。

1.はじめに

近年、鋼・複合橋の構造物の騒音対策としては、鋼板部に制振材を取り付ける手法や、被覆コンクリートを用いる手法がとられていますが、対策費が高価であることが課題となっています。そこで今回、騒音対策としてゴムラテックスモルタルを活用した低騒音鋼・複合橋を開発しました。

2.概要

鋼橋は、薄い部材で構成されており、振動しやすいことから、他の構造物に比べて騒音が大きい傾向にあります。本工法では、この鋼部材にポリマーを混入したゴムラテックスモルタルを5mm吹き付けることにより、振動を抑制して騒音低減を図ります(図1)。ゴムラテックスモルタルは、高い付着性を有しているため、鋼部材に直接吹付け施工することができます(写真1)。

図1 低騒音鋼橋のイメージ(合成桁および下路桁の場合)
写真1 ゴムラテックスモルタル吹き付け状況
(a) 施工状況
写真1 ゴムラテックスモルタル吹き付け状況
(b) 吹き付け後の状況

3.適用の効果

振動解析および計測試験(写真2)により、鋼板両面にゴムラテックスモルタルを5mm吹き付けることで、従来使用されてきた制振材と同等な性能が得られることを確認しました(図2)。なお、ゴムラテックスモルタルを使用した場合、プライマー等も不要であるため、制振材の施工に比べて初期コストで約50%低減できる試算になっています。もう一方の騒音対策として挙げられている被覆コンクリートを用いた場合に対しては、本橋では死荷重が大幅に低減できるため、橋梁の鋼重を5~7%低減できる試算となっています。その他、ゴムラテックスモルタルは防水性にも優れており、鋼部材の塗装・塗り替えが不要になるため、ライフサイクルコスト低減にも効果があります。

写真2 衝撃加振試験概要
図2 衝撃加振試験結果

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参考文献

  1. 谷口望、半坂征則、小出宣央、大垣賀津雄、大久保藤和、佐竹紳也、杉野雄亮:ゴムラテックスモルタル被覆を用いた低騒音鋼橋の開発に関する研究、構造工学論文集、Vol.55A、2009
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