新築橋梁構築技術 補強土工法を併用したインテグラル橋梁

1.はじめに

インテグラル橋梁は、上・下部工を一体化させた橋梁であり、合理的な構造物であることから、欧米で主に道路橋として建設が盛んに行われています。しかし、気温の季節変動により、躯体や背面の舗装面に変状が発生する事例が報告されています。この課題の克服に向けて、背面土を補強土構造とし、躯体と一体化させた補強土併用インテグラル橋梁の開発のため、実物大規模の試験橋梁を製作しました。

本研究の一部は、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。

2.特徴

背面盛土構築後に躯体を施工するため、橋梁躯体にて残留応力が生じません。背面盛土を補強材で補強しているため、背面土が塑性化せず、高い耐震性も得られることが確認されています。また、背面土と躯体が連結しているため、躯体断面が小さくなります。

従来形式の桁・橋台式橋梁と比較して、ラーメン構造による断面形状のスリム化および支承を省略することができるため、経済性に優れています。また、背面盛土と一体化されており、耐震性にも優れていることが確認されています。本工法は盛土部と道路が交差する箇所について、採用されることを目的としています。

3.今後の展開

今後は、実用化に向けて設計施工マニュアルの作成および、新設橋梁への適用拡大を図る予定です。

4.その他

試験橋梁の構築は東京理科大学、鹿島建設(株)、東急建設(株)、鉄建建設(株)、(株)クラレ、(株)複合技術研究所、鉄道総研の共同研究によって実施されました。

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