粒子法による大変形地盤解析システム「MPMSOIL-3D」

近年、巨大地震や集中豪雨による鉄道沿線などでの斜面崩壊・液状化など、地盤の大変形、崩壊に関わるリスクについて関心が高まっています。しかし、有限要素法(注1)を用いた地盤の変形解析では、地盤の大変形、崩壊には対応が困難でした。

本解析システムは、斜面崩壊(注2)のような地盤の大変形(注3)が解析できるよう、粒子法を地盤に適用して開発された解析手法(注4)を用いた解析システムです。鉄道総合技術研究所が開発した粒子法を用いた解析手法をベースとし、地盤の大変形・崩壊挙動の解析が可能で、地震時の斜面崩壊や液状化などの大変形解析が行えます。また、斜面の崩壊と崩壊土砂の飛散を一連でシミュレーションすることができます。

本解析システムは、富士通エフ・アイ・ピー株式会社との共同開発によるものです。

【用語説明】

(注1)有限要素法:複雑な形状・性質を持つ物体を単純な小部分に分割することで近似し、全体の挙動を予測しようとするもの。汎用性があり応用範囲が広いため、地盤解析をはじめとして広く使われています。
(注2)斜面崩壊:集中豪雨などにより斜面が不安定になり土砂崩れを起こすこと。
(注3)地盤の大変形:土砂崩れを引き起こすような、地盤の大規模な変形。
(注4)粒子法を地盤に適用して開発された解析手法:粒子法(MPM: Material Point Method)は水や空気などの流れを粒子の動きで表す手法。粒子法を地盤に適用して開発された解析手法では、地盤を粒子で表し、地盤の大きな変化や土砂の飛散を扱うことができます。