トンネルの耐震性評価と対策法

山岳トンネルは一般に地震に強い構造物といえますが、条件によっては地震により被害を受けることがあります。地震による被害としては、天端のひび割れ、破壊、それに伴う剥落、内空の縮小、盤膨れ等の被害があります(図1)。

トンネル研究室では、トンネルの耐震性を向上させるため、1/50模型の載荷実験を行い、地震によりトンネルに発生するひび割れ・破壊などの損傷の発生形態、ロックボルト等の対策工の効果を明らかにしました(図2)。模型実験においても、天端のひび割れ、破壊、それに伴う剥落、内空の縮小、盤膨れ等の被害が再現できていることがわかります。また、ロックボルト等の対策工を想定した模型実験も行い、その効果についても検討しました(図3)。

本検討を踏まえて「既設山岳トンネル地震対策・震災復旧マニュアル(案)」が作成されています。

本研究の一部は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の運輸分野における基礎的研究推進制度の支援を受けて実施しました。

参考文献

  1. 野城一栄、嶋本敬介、小島芳之:地質不良区間における既設山岳トンネルの地震対策工の選定法、鉄道総研報告、第25巻、第2号、pp.53-58、2011.02
  2. 野城一栄、小島芳之、朝倉俊弘、深沢成年:山岳トンネルの地震被害発生メカニズムと耐震性能の評価、鉄道総研報告、第23巻、第12号、pp.17-22、2009.12