駅シミュレータ

1.概要

駅の中の旅客流動や快適性に関わる温熱環境、音環境などについて検討する場合、従来は実際の駅で生じる現象を観察することが主な手段でした。一方で、様々な課題を解決するには実験的な検討が有効ですが、実際の駅の中で大規模な実験を行うことは現実的に不可能です。そこで、そのような実験を可能にする施設として、駅シミュレータ(実物大の橋上駅舎模型)を建設しました。(本実験設備の建設は、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。)

2.実施実験

駅シミュレータで行った実験として以下のものがあります。

  • 混雑時や非常時の旅客流動評価実験
  • 音環境、温熱環境、光環境など快適性に関わる要因についての評価実験
  • 駅に使われる材料に関する評価実験

参考文献

  1. 対馬銀河、石突光隆、柴田宗典:鉄道駅構内における断面交通量の自動計測に関する基礎検討、土木計画学研究・講演集、vol.62、2020
  2. 伊積康彦:実物大駅舎模型を用いた駅の安全性・快適性評価実験、JREA、Vol.58、No.4、pp.39385-39388、2015
  3. 辻村壮平、伊積康彦、廣江正明:高齢者に配慮した駅の案内放送の提示レベルに関する研究−模擬駅舎での案内放送の聴き取りにくさに関する聴感実験、日本騒音制御工学会秋季研究発表会講演論文集、pp.259-262、2014
  4. 山本昌和、石突光隆:駅の階段とホーム狭隘部における混雑時の歩行安全性評価、鉄道総研報告、第27巻、第6号、pp.43-48、2013.06
  5. 伊積康彦、山本昌和:駅シミュレータを用いた各種実験、鉄道建築ニュース、No.753、pp.4-12、2012