き電研究室

Power Supply Systems

線路上を走行する電気車(=電気機関車と電車)に、必要な電力を供給することを「き電」といいます。当研究室では、鉄道事業の遂行に必要な電力を安定供給するための電力供給システムに関する技術を、基礎から応用まで幅広く研究・開発しています。

電気鉄道用変電所(き電用変電所)から電車線路を経て電気車へ至る電気回路の現象に関しては、架線電圧の維持と品質向上方法、短絡(ショート)などの際の故障検出方法、電圧変動の抑制対策、電食等の諸問題への対策などについて扱っています。また、現場で生じる様々な電気現象に対して、現地調査や理論解析等による現象解明と対策の提案を行っています。

昨今では、地球環境保護などの観点から省エネルギー技術の開発が求められており、当研究室では主に直流き電方式を対象に、電気車がブレーキをかけるときに発生する電力エネルギー(回生電力)を有効に活用するシステムや、その評価方法の研究・開発を行っています。

また、列車運行を支える様々な電力設備(配電・電灯電力設備)に関する事項も、当研究室で取り扱っています。

研究開発

保護線と保護素子を用いた高抵抗地絡検出システム

直流き電回路においてがいしや支持物等を介して発生する高抵抗地絡故障に対して、保護線と保護素子を用いて直ちに故障を検出するシステムを開発しました。また、営業線における人工故障試験でその有効性を確認しました。

自然エネルギーと電力貯蔵装置による電力システムの構築

自然エネルギー発電と電力貯蔵装置を組み合わせることで、自然エネルギーによる発電電力を電気鉄道の運転電力として利用可能なシステムについて検討しました。

各種シミュレーション技術

変電所・電車線路設備データなどを用いて、多数列車が走行している状況での変電所出力電流や最低パンタ点電圧などを求める運転電力シミュレーションプログラムを構築しました。

変電所の劣化診断技術

変電所機器の劣化について、ガス、振動、電位変化などの計測とトレンド分析を通じて評価し、総合的に劣化診断を行う手法を開発するとともに、配電盤劣化監視診断装置を製作しました。

がいしの劣化診断技術

高経年を迎える高圧がいしに対して、優先順位を付けた部分取替による取替コスト削減を期待し、センサ技術を用いた高圧がいしの保全管理方法について検討しました。

実験設備

直流高圧機器試験装置

この試験装置は、実際の直流変電所と同程度の機器・性能を有する試験装置です。これまで、高速度遮断器性能試験・絶縁物の絶縁性能試験などを数多く実施してきました。

直流低圧大電流試験装置

この試験装置は、直流数百A~1万Aまでの電流を自在に作り出すことができます。特に、電力ケーブルやレールといった抵抗値の低い部材に大電流を長時間課電する際に威力を発揮します。

勝木塩害実験所

交流電化区間や信号高圧配電線が海岸沿いに伸びるに従い、塩害事故の発生が重要な問題になっています。ここでは耐塩害用絶縁物の開発をはじめ、給電線路の塩害防止の研究を行っています。

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