集電管理研究室

Current Collection Maintenance

集電管理は、電車線とパンタグラフで構成する集電系について、メンテナンスに関連する研究・開発を担当しています。担当している技術分野は以下の二方面です。

第一は、電車線材料に関する分野です。電車線および付帯設備の各種材料について、腐食、疲労、摩耗をはじめとする劣化・損傷メカニズムの研究を行うとともに、それらの知見も踏まえ、耐久性が高く、また、高速運転にも対応する材料、部品の開発を行っています。

第二は、集電系計測に関する分野です。集電系の性能評価や状態診断に関する測定システムの開発を行っています。現在は画像処理技術を用いた電車線検測の開発を中心に研究を行っています。

研究開発

パンタステーション3 NEW

新型車両の導入や速度向上に際し、集電性能を評価するためパンタグラフの離線測定がしばしば行われます。この離線測定時の集計作業を自動化し、リアルタイムに離線率を表示する「パンタステーション3」を開発しました。

新型車両の導入や速度向上に際し、集電性能を評価するためパンタグラフの離線測定がしばしば行われます。この離線測定時の集計作業を自動化し、リアルタイムに離線率を表示する「パンタステーション3」を開発しました。

電車線コネクタの疲労寿命推定手法 NEW

電車線コネクタは列車通過時の振動で疲労損傷します。そこで、予防保全のため、コネクタの疲労寿命推定手法を開発しました。本手法では、有限要素法によるコネクタの振動解析を行い、パンタグラフ通過時に生じるひずみと、疲労試験で求めた疲労寿命曲線を合わせて、疲労寿命推定が可能となりました。

電車線コネクタは列車通過時の振動で疲労損傷します。そこで、予防保全のため、コネクタの疲労寿命推定手法を開発しました。本手法では、有限要素法によるコネクタの振動解析を行い、パンタグラフ通過時に生じるひずみと、疲労試験で求めた疲労寿命曲線を合わせて、疲労寿命推定が可能となりました。

高速電車線用CPSトロリ線

現在,新幹線で用いられているクロム-ジルコニウム系析出強化型銅合金トロリ線(以下,PHCトロリ線)と同等の性能を有し,さらに鉄道事業者の小ロット需要に対して柔軟な対応が可能で低コストなトロリ線(CPSトロリ線)を三菱マテリアル株式会社,菱星尼崎電線と共同で開発しました。

現在,新幹線で用いられているクロム-ジルコニウム系析出強化型銅合金トロリ線(以下,PHCトロリ線)と同等の性能を有し,さらに鉄道事業者の小ロット需要に対して柔軟な対応が可能で低コストなトロリ線(CPSトロリ線)を三菱マテリアル株式会社,菱星尼崎電線と共同で開発しました。

光切断法によるトロリ線断面形状測定手法

光切断法を用いたトロリ線残存断面積の非接触測定手法を新たに開発しました。光切断法によってトロリ線の下部形状が測定でき、摩耗品と新品の形状を比較することで、摩耗によって減少した断面積および残存断面積を測定することができます。

光切断法を用いたトロリ線残存断面積の非接触測定手法を新たに開発しました。光切断法によってトロリ線の下部形状が測定でき、摩耗品と新品の形状を比較することで、摩耗によって減少した断面積および残存断面積を測定することができます。

トロリ線とすり板の通電下における摩耗現象の解明 UPDATE

トロリ線とパンタグラフすり板の長寿命化・メンテナンスコスト低減を目指して、通電下において摩耗がどのように進むのかを研究しています。研究の結果、通電下で発生する摩耗形態の種類とその発生条件を解明し、各摩耗形態の発生条件を可視化したマップを提案しました。

トロリ線とパンタグラフすり板の長寿命化・メンテナンスコスト低減を目指して、通電下において摩耗がどのように進むのかを研究しています。研究の結果、通電下で発生する摩耗形態の種類とその発生条件を解明し、各摩耗形態の発生条件を可視化したマップを提案しました。

公開データに基づくがいし汚損度推定法

風速・風向・雨量という気象データおよび海岸からの距離などの地形データを用いて、明かり区間の任意の地点、時刻におけるがいし汚損度を推定する手法を開発しました。本手法により、汚損の実態に応じた耐汚損設計や保全方法の策定が可能です。

風速・風向・雨量という気象データおよび海岸からの距離などの地形データを用いて、明かり区間の任意の地点、時刻におけるがいし汚損度を推定する手法を開発しました。本手法により、汚損の実態に応じた耐汚損設計や保全方法の策定が可能です。

実験設備

電車線非接触測定装置

トロリ線やちょう架線の3次元静的位置を測定可能な電車線非接触測定装置を開発しました。この装置により、わたり線やオーバラップ区間などで、従来手作業で計測していた架線の静的な高さや左右偏位の測定を自動化することができます。

トロリ線やちょう架線の3次元静的位置を測定可能な電車線非接触測定装置を開発しました。この装置により、わたり線やオーバラップ区間などで、従来手作業で計測していた架線の静的な高さや左右偏位の測定を自動化することができます。

線条・金具振動試験機

電車線路に使用される線条や金具類は、パンタグラフ通過による振動を繰返し受けます。この振動に起因する線条や金具類の劣化現象の解明や、損傷程度を評価する装置です。

電車線路に使用される線条や金具類は、パンタグラフ通過による振動を繰返し受けます。この振動に起因する線条や金具類の劣化現象の解明や、損傷程度を評価する装置です。