電車線コネクタの疲労寿命推定手法

電車線コネクタは列車通過時の振動で疲労損傷します。そこで、予防保全のため、コネクタの疲労寿命推定手法を開発しました。本手法では、有限要素法によるコネクタの振動解析を行い、パンタグラフ通過時に生じるひずみと、疲労試験で求めた疲労寿命曲線を合わせて、疲労寿命推定が可能となりました。

1.はじめに

電車線コネクタは、パンタグラフの通過に伴う振動により疲労損傷することが知られており、コネクタリード線が断線するとパンタグラフを破損するなどの障害が発生します。そこで、予防保全のため、コネクタの疲労寿命推定手法を開発しました。

2.コネクタ疲労寿命推定

パンタグラフ通過時の架線振動に伴いコネクタリード線(より線)に発生するひずみは、取り回し形状に依存するばね定数や固有振動数などの動特性に大きく影響を受けます。これらの影響を解析的に求めるため、実物のコネクタの加振試験結果に基づき、より線を単線に置換したコネクタの有限要素モデルを作成しました(図1)。このモデルにトロリ線およびちょう架線など電車線の振動を入力することで、リード線に発生するひずみを解析できます。疲労試験で求めた疲労寿命曲線(図2)とあわせて、リード線の素線切れに対する疲労寿命推定が可能となりました。

営業線において、リード線の素線切れが発生した場所の電車線振動に対する疲労寿命を推定した結果、現地の事象とほぼ一致しました(図3)。

本手法は、径間内における適切なコネクタ取り付け位置の選定や、耐疲労性の高いコネクタの開発に活用できます。

図1 より線の単線置換によるコネクタの有限要素モデル化
図2 コネクタリード線の疲労寿命曲線(素線切れ時点)
図3 コネクタの疲労寿命推定結果

参考文献

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