改良形接着絶縁レール

1.開発の背景

接着絶縁レールは開発後約30年が経過し、現在では新幹線・在来線を問わず使用され、絶縁継目部の保守省力化に貢献しています。本研究では、さらなる接着絶縁レールの長寿命化を図るため、高流動性接着材およびテフロンシートにより耐はく離・腐食性を向上した改良形接着絶縁レールを開発しました。

2.概要

ガラス繊維の層間にテフロンシートを挟み込み、接着層とレール面および継目板面のはく離を防止しています。また、絶縁チューブと継目板のボルト穴の間に接着材を充填して雨水の侵入を妨げ、鉄の腐食を防止しています。

実用性能の検証および耐久性の確認を目的として、営業線へ敷設した改良形接着絶縁レールの追跡調査を行い、良好な状態を維持していることを確認しています。現在、導入から10年以上経過していますが、敷設範囲は拡大しています。

参考文献

  1. 片岡宏夫、若月修、本野貴志、中澤毅基、山根寛史:改良形接着絶縁レールの実用性能評価、鉄道総研報告、第24巻、第12号、pp.5-10、2010.12