FWDを用いた軌道支持剛性の評価

バラスト軌道は、列車の繰返し荷重によって沈下が生じるため、定期的に線形を検測し、必要に応じてタイタンパー補修が行われます。軌道補修後の品質管理は、施工後の軌道の仕上り線形によって行われており、バラストの締固め具合は作業者の技量に依存しているのが現状です。

当研究室では、軌道補修の高品質化および最適化を目的とし、小型FWD(重錘落下試験装置)を応用して、バラスト軌道の軌道支持剛性を非破壊で簡易に評価できる手法を開発しました(図1および図2)。
また、列車荷重レベルの載荷および測定効率向上を目的とし、軽便トロ上に2基の載荷ユニット、制御・計測システムおよび小型発電機を装備した軌道支持剛性測定装置(RFWD)を新たに開発しました(図3および図4)。本装置の特徴は、人力での運搬およびレール上への載線が可能で、両レール同時に衝撃荷重を作用させることができることです。さらに測定結果をリアルタイムで確認できます。

これまでに、つき固め補修後のFWD測定により、軌道支持剛性と軌道変位の関係を検討し、補修直後の軌道支持剛性の分布より、その後の軌道変位の発生箇所を予測できる可能性があることがわかりました(図5)。また、RFWDで測定した応答変位遅延時間と列車通過時に生じるレール変位量に高い相関関係があることがわかりました(図6)。この結果により、応答変位遅延時間を用いて浮きまくらぎを精度良く検出することが可能となりました。

なお、本研究は国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて行われました。

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