スノープラウの形状開発

降積雪の多い地域での自力排雪走行に適したスノープラウ形状開発手法の紹介です。

1.はじめに

消・融雪を行わない雪国の新幹線では、排雪走行時にスノープラウにより排除された雪を貯めるために軌道側方に貯雪溝が設けられています。しかし、降積雪量 が多い地域では、排雪などによって貯雪溝が埋まり、側雪(排雪によって堆積した軌道側方の雪壁)が形成されることが想定されます(図1)。側雪が形成されると排雪走行時の飛雪方向や走行抵抗に影響を及ぼすことが考えられます。このため、複数のスノープラウの縮尺模型を用いた排雪試験と数値計算から、隣接軌道への飛雪の影響が小さく、かつ排雪抵抗力が小さいスノープラウ形状を開発しました。また、縮尺模型を用いた試験結果から実スケールの排雪抵抗力を推定可能な相似則を考案しました。

図1 多雪地域の高架橋内堆雪図

2.スノープラウ形状開発

複数のスノープラウの縮尺模型を用いた排雪試験(図2)により、排雪抵抗の小さな形状の検討、高速度カメラを用いた飛雪経路解析を行いました。これらの試験と数値計算による要素試験の結果を合わせて、多雪地域対応型スノープラウの形状を提案しました(図3)。提案したプラウでは側雪が存在しても排雪抵抗力の増加をほとんど伴わずに適正な飛雪分布となる形状にすることができました。

図2 排雪試験状況
図3 多雪地域対応型スノープラウ

3.相似則の検証

縮尺模型を用いた試験により得られた排雪抵抗力の結果を実スケールに反映するための相似則を検証しました。同じ形状の縮尺1/10、1/6.7の模型により得られた排雪抵抗力を相似則を用いて縮尺1/5スケールへ換算し、縮尺1/5の模型により得られた排雪抵抗力と比較するとよく一致しました(図4)。このように相似則の妥当性が確認され、縮尺模型プラウによる試験の結果から実スケールの排雪抵抗力を精度良く推定することが可能となりました。

図4 相似則の検証結果

4.本手法の活用法

  • 相似則を用いることで、各種模型試験による排雪抵抗力の測定結果から実スケールでの排雪抵抗力を推定できます。
  • 新規形状スノープラウを開発する際に、本研究で用いた評価手法を利用できます。

参考文献

  1. 鎌田慈、中嶋大智、宍戸真也、栗原靖、高橋大介、飯倉茂弘、遠藤徹:多雪地域対応型スノープラウの開発、寒地技術論文・報告集、Vol.25、pp062-67、(一社)北海道開発技術センター、2009
  2. 大橋昭典、鎌田慈、宍戸真也、栗原靖、遠藤徹、飯倉茂弘、中嶋大智:高速車両用スノープラウの飛雪分布に関する研究、寒地技術論文・報告集、Vol024、pp097-100、(一社)北海道開発技術センター、2008
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