自然由来の重金属等の溶出特性を評価する手法(ステップバッチ試験)

掘削残土に含まれる自然由来の重金属等について、短期的および長期的な溶出特性を評価する手法(ステップバッチ試験)を提案しました。

鉱山周辺地域など、掘削残土から自然由来重金属等の溶出が懸念される掘削工事の現場において、排出される掘削残土の多くは土壌汚染対策法(以下、法という)の対象ではありませんが、現在は法に準じた溶出量試験(公定法;但し、粒度調整方法が法と異なります)により、周辺環境への影響の有無を評価することがよく行われています。地質研究室では、金属元素等の掘削残土からの溶出現象を簡易かつ適切に評価する方法として、バッチ試験(容器の中に試料と溶媒を入れ反応させる手法)に数段階のステップを設けたステップバッチ試験(図1)を提案しています。

図1 ステップバッチ試験

ステップバッチ試験の結果と公定法の結果を比較すると(図2)、ステップバッチ試験の最初のステップのpHが公定法と同様に初期pHよりも低い傾向を示します。ステップバッチ試験の結果とカラム試験(試料を入れたカラムに一定流速で水を通水させる手法)の結果を比較すると(図3)、両者の電気伝導率(EC)はいずれも時間の経過に伴い低下する傾向を示します。このようにして、提案したステップバッチ試験を用いることで、公定法の試験結果と同様に短期的な溶出傾向が把握でき、さらに長期的な溶出傾向も把握できます。

図2 既往の試験方法との比較
(ステップバッチ試験と公定法)
図3 既往の試験方法との比較
(ステップバッチ試験とカラム試験)
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