転換試験用分岐器

新幹線の転換鎖錠装置の機械モデルを構築するための、検証試験を行うための分岐器です。

1.概要

新幹線の転換鎖錠装置の機械モデルを構築するための、検証試験を行うための分岐器です。現在、新幹線で数多く設置されている新幹線18番分岐器のポイント部をベースに、試験用に構造の一部を変更しています(図1)。

図1 転換試験用分岐器(全景)

2.桁まくらぎ

分岐器を構成する装置の一部(電気転てつ機・エスケープクランク等)は2本のまくらぎに固定されます。しかし、従来の分岐器構造では、まくらぎ間隔が不定のため、取付作業は全て現場施工となっています。

井桁まくらぎを採用すると、工場で装置取付部が加工できるため、現場作業を大幅に削減でき、施工精度も向上します。

また、装置の取付には、通常、『爪ボルト』を使用します。

爪ボルトの場合は、手持ちドリルで垂直に穴明けをするのが難しく、穴位置もずれ易いです。また、爪を挿入するためにバラストを掘る必要があります。

埋め込み栓を使用すれば、バラストを掘ることなく、通常のボルトで装置の取付が可能となります(図2)。

図2 桁まくらぎ

3.Tボルト締結式敷板

装置は、通常、『爪ボルト』でまくらぎに直接固定されています。

しかし、本設備では、転換装置に関する試験の関係でエスケープクランクの取付位置を変更する必要があります。そのため、Tボルト締結式敷板を開発しました。この敷板を通常のボルトでまくらぎに固定します。この敷板上面にはTボルト用の穴を複数設けていて、まくらぎに多数の穴明けをせずにエスケープクランクの位置の変更を可能としています。

この敷板を採用すると、装置の交換作業が簡単になります(図3)。

図3 Tボルト締結式敷板

4.SA3本引き転換装置

現在、新幹線の分岐器では番数に関係なく、2本のスイッチアジャスタ(トングレールを押し引きする棒状の部品、以下SAと記述)で転換する構造になっています。

しかし、この2本のSAの間隔が広くなると、トングレールの中間部分の接着が悪く、調整が難しくなります。そのため、SA3本引きの転換装置を推奨しています。

この場合の各性能確認・検証のため、3番目のエスケープクランクを増設しました。

3番目のエスケープを取り外すことにより、従来のSA2本引きの転換装置の試験も可能な構造になっています。

参考)新幹線分岐器のSAの間隔
12番4,450mm
14番5,000mm
16番5,550mm
18番7,200mm(SA2本の場合)→3,600mm(SA3本の場合)
(スイッチアジャスタ間隔が狭い程、接着がよくなる)

18番分岐器は、通過列車と停車列車の振り分けに使われる重要な分岐器で、転換回数は多くなります。それにも関らず、現状、4種の分岐器の中で最も接着が悪いのですが、SA3本引きを採用すると、上表のように、最も接着が良好となります。これによって、トングレールの接着不良による転換不能(輸送障害)を防止できます(図4)。

図4 転換試験用分岐器の特徴
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