鉄道用メタル通信回線を用いた高速データ伝送方式の導入評価手法

鉄道用メタル通信回線を利用した長距離高速データ伝送方式の導入可否を評価・判定する手法を開発しました。

1.はじめに

メタル通信回線を利用する高速データ伝送技術の進展に伴い、鉄道においても既存のメタル通信回線に伝送装置を複数段導入し、高速データ伝送回線を構築する事例が増えています。鉄道において高速データ伝送回線を構築する場合には、鉄道沿線の環境等を考慮して伝送品質の評価に構築の可否をかが必要となります。そこで、鉄道用メタル通信回線における高速データ伝送方式の導入可否を評価する手法を開発しました。

2.高速データ伝送方式の導入検討時の評価項目

鉄道環境を考慮して高速データ伝送方式を導入する際の主な評価項目を図1に示します。それぞれの項目について所要の品質を満足することで、高速データ伝送方式が導入可能となります。

図1 高速データ伝送方式を導入する際の評価項目

3.導入評価手法の概要と評価支援ツール

図1に示した各項目を予測し、導入可否を評価するためのフローを図2に示します。具体的には、まず、導入しようとするメタル通信回線の特性(回線減衰量、回線雑音)と、高速データ伝送装置の特性(パワースペクトラム)からS/N(信号対雑音比)を計算し、所要のS/Nが満足できるか評価・判定します。次に、導入する区間全体の総遅延時間を各区間の遅延時間の積み重ねにより算出し、許容される遅延時間内か否かを評価します。メタル通信回線に障害が発生した場合には、障害による回線減衰量増分を通常時のS/Nに反映し、同様に評価します。

また、開発した手法に基づいて導入評価を支援するためのツールをWindowsのアプリケーションプログラムとして実装しました。図3に導入評価支援ツールのメイン画面を示します。

図2 導入評価手法のフロー
図3 導入評価支援ツールメイン画面

4.今後の計画

鉄道用メタル通信回線では、図1に示した項目以外にも、伝送品質に影響を与える要因として、電磁誘導により発生する誘導雑音、サージにより発生する印加電圧等が想定されます。現在、誘導予測計算手法やサージによる印加電圧を予測する手法の開発を行っており、最終的には、これらの要因も考慮した鉄道用メタル通信回線の伝送品質予測計算手法の開発を目指します。

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参考文献

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