非接触ICカードによる乗車券システム

現在広く普及している非接触ICカードによる乗車券システムの研究経緯と試作機、導入経過等を紹介します。

鉄道総研では発足当初より従来の磁気券を用いた乗車券に代わる新しい乗車券システムの実現を目指し、非接触ICカードを用いた乗車券システム (muCard) の研究開発を進めてきました。1987年に試作した最初の非接触ICカードは、中波帯の電波を使ったカードで、115×80×10mm(95g)の大きさがあり、カードとは呼べないほどの大きなものでした。しかし、1989年のマイクロ波を使ったICカードは、86×54×1mm(8g)まで小さく・薄くなり、現在のISOサイズのICカードとほぼ同じ大きさになりました。これらの通信方式や小型・軽量化の改良とともに、以下に示す様々な技術的な課題をクリアして、実用化可能なものになりました。これらの成果は、現在のIC乗車券システムの中で生かされています。

  • タッチのみで改札機を通過することによるスムーズな旅客流動の確保
  • 大都市圏のラッシュアワーにも対応できる高速なカード処理
  • 高度なセキュリティ機能
  • 様々な用途にも利用できる大容量で多機能なメモリ構成
  • 定期券とSF(ストアードフェア)機能を1枚のカードで実現する改札アルゴリズム

現在、非接触IC乗車券に関する仕様は、日本鉄道サイバネティクス協議会により制定・運用されており、 多くの鉄道事業者などが相互運用しています。

図1 試作第1号の中波帯のICカード(1987年)
図2 マイクロ波帯のICカード(1989年)
図3 試作したICカード専用改札機(1991年)
図4 試作した自動改札機搭載型のICカード改札機とその構成
図5 ICカード導入事業者(2011年6月1日現在)
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