CARAT

(Computer And Radio Aided Train control system)

列車制御システムの機器構成がどうあるべきかをゼロから検討し、無線を利用したシステムを提案しました。

列車制御システムの機器構成がどうあるべきかをゼロから検討し、地上設備の少ない無線を利用した列車制御システムを提案しました。現在、無線を利用した列車制御システムの開発・導入が国内外で進んでいますが、CARATは国内で本格的に検討された初めての無線列車制御システムです。CARATの開発は1985年ごろから1995年まで行われ、CARATをベースとした実用システムが開発されるなど、その後の国内の開発に大きな影響を与えています。

CARATでは、列車は自分の位置を自分で検知し、その位置情報を地上システムに無線で伝送します。地上システムは、それぞれの列車から送られてきた位置情報を受信し列車の追跡をします。また、駅のポイントや踏切の状態を監視し、制御を行います。これらの情報をもとにして、それぞれの列車が安全に走行できる区間を判断し、列車に対して停止目標位置を無線で伝送します。列車は、地上システムが判断した停止目標位置を受信し、自分が持っている線路データ(速度制限、勾配など)とブレーキ性能から、安全に走行できる距離—速度パターンを計算します。もし、走行速度が超過した場合は、自動的に減速します。

従来は、主に地上の信号機で許容速度を伝達しており、停止信号を誤って通過しようとした場合にブレーキを作動させるATS(自動列車停止装置)を備えています。また、新幹線や山手線などの在来線の一部には、ATC(自動列車制御装置)により車内に許容速度が表示され、現在速度が許容速度をオーバーした場合にはブレーキが自動的に動作する方式がとられています。これらはいずれも、線路をある長さに区切り、この区間(閉そく区間)には1列車しか運転させないという原則のもとに制御が行われています。信号機などを自動的に制御するためには、列車の存在を検知する必要がありますが、これまでは軌道回路という、レールに電流を流し、列車が車軸でレールを短絡することで閉そく区間に列車がいると判断する設備が使用されています。

これらの設備は、列車の運転頻度や列車性能にあわせて配置されます。しかし列車本数増加などの需要の変化に対応するには、設備の追加や配置の変更を行う必要があります。

CARATでは、沿線の固定的な信号設備が大幅に減るため、多様な列車をその需要に応じて柔軟に運転することができます。列車運転の高度化や効率化が行えるほか、建設コストや保守コストの削減が期待できます。

図 CARATのシステム概念
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