列車運行・旅客行動シミュレータ

旅客ODデータを用いて、あるダイヤを実施したときの旅客の列車乗継経路、列車乗車率、遅延を推定します。

1.概要

旅客の視点に立った列車ダイヤの評価を行うシミュレータです。自動改札機等で記録された旅客の利用データ(ODデータ)を用いて、あるダイヤを実施したときの旅客流動、列車の遅れやすさ、旅客にとっての利便性などを推定し、列車ダイヤの評価を行います(図1)。また、推定結果をわかりやすく表示することで、列車ダイヤを多角的な視点から検討することができます。

図1 シミュレーションの概要

2.特徴

①旅客の動きを詳細に予測します

  • 旅客1人1人の出発駅から目的駅までの行動(利用列車、乗換)を推定し、例えば旅客が体験する混雑率等の値から、個々の旅客の視点でのダイヤ評価が可能です。
  • 目的駅に早く着く列車を選ぶ、乗換が少ない列車を選ぶなど、様々な嗜好の旅客を想定したシミュレーションが可能です。

②列車の混雑度、運行時刻への影響が把握できます。

  • 列車全体の混雑に加え、号車毎の混雑状況も推定可能です。
  • 駅での旅客乗降時間に起因する、列車の遅延を推定できます。
  • ある列車に数分の遅れを発生させた場合など、小規模なダイヤ乱れを想定したシミュレーションも可能です。
  • 列車の混雑度、遅延状況を、わかりやすく表示します(図2)。

図2 シミュレータの画面例

3.用途

ダイヤ改正の実施前に、一部の列車に著しい混雑、慢性的な遅延が生じないかなど、列車ダイヤの事前検証ができます(図3)。

図3 ダイヤ評価の例

4.応用:駅間の運転方法を考慮したシミュレーション

信号、線路形状、車両性能などの実際の走行条件を考慮して駅間走行時分を計算します。前方列車の遅延が原因で進行現示以外での速度制限を受けた場合の走行や、駅間での停止が再現可能となり、列車運行をより正確に予測することができます(図4)。

図4 先行列車からの遅延の影響を受けた駅間走行時分の計算例

5.活用例

シミュレータを活用し、下記のような研究課題にも取り組んでいます。

①アンケート調査に基づく利用者視点の評価尺度の構築と運行計画の評価

  • 利用者の満足度による列車ダイヤ評価
  • 通勤線区を対象とした運転整理案の評価

②線路配線、信号設備、ホームなど運転設備の評価

  • 輸送障害発生時に、不通区間を挟んだ折返運転をするための線路の設置効果を評価
  • 信号設備の更新、ホーム増設等による列車本数の増加、遅延の縮小効果を評価

③列車運行に対する多面的な評価尺度と評価指標

  • 利用者からの視点による評価、社会に対する影響の評価、経営上の視点による評価、など

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参考文献

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