通勤線区におけるダイヤ乱れ時の利用者不満モデル

通勤線区におけるダイヤ乱れ時に利用者が感じる不満を定量的に説明するとともに、値として算出するためのモデルです。

1.概要

通勤線区におけるダイヤ乱れ時に利用者が感じる不満を定量的に説明する心理モデルとともに、シミュレーション技術を活用して利用者不満値を推定する手法を開発しました。人間科学研究部と信号・情報技術研究部が協力して実施した研究です。

2.アンケートと利用者不満値

大都市圏の通勤線区でダイヤ乱れ時に遭遇した利用者へのアンケート調査を実施し、7,000人以上からの回答を収集しました。一部が欠落している等のデータを除去し、約3,400人分の回答を用いて「利用者不満モデル」と「利用者不満推定式」を構築しました。ダイヤ乱れ時の利用者不満値を5段階のレベルで表します。いつもの利用時と比べ、不満をどのように感じた(感じる)かによって、図1の値に対応させています。これは,アンケート調査時の質問項目と対応しています。

図1 利用者不満値のレベル

3.利用者不満モデル

「利用者不満モデル」を図2に示します。利用者が感じる不満の要因と、それらの間にある関係を定量的に示しています。このモデルからは、例えば、案内の不適切さを強く感じた人ほど、鉄道事業者の責任を求める度合いが高い、といったことが読み取れます。

図2 利用者不満モデル

4.利用者不満推定式とシミュレーション計算

ダイヤ乱れ時の利用者不満値は「利用者不満推定式」で表しますが、具体的な計算には「列車運行・旅客行動シミュレータ」を活用します。計算の流れを図3に示します。利用者1人1人の行動をシミュレーションした結果に利用者不満推定式を適用することで、ある運転整理案に対する利用者不満値を算出できます。この値を、利用時間帯や利用区間毎に集約して視覚化(グラフ等で見えるように)することで、例えば、駅Aから駅Bの利用者よりも、駅Cから駅Dの利用者の不満値の方が随分と大きくなっているといった議論ができるようになります。将来の運転整理方法の策定等に用いることができると考えています。

図3 利用者不満推定式による利用者不満値の算出と視覚化

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参考文献

  1. 山内香奈:鉄道利用者のダイヤ乱れ遭遇時における不満足の規定要因 (Determinants of passengers’ dissatisfaction regarding disrupted train service), 心理学研究 (The Japanese Journal of Psychology)、Vol.83、No.2、pp.117-125、2012
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