金属系新材料の研究開発(これまでの研究)

1.非破壊検査手法に関する調査

鉄道部品等のメンテナンスにおいて欠陥や油漏洩等を検出する非破壊的な検出手法が求められます。本研究では、半導体センサーの物理的特性を利用して欠陥を検出する非破壊検査手法や蛍光塗料を適用した油漏洩検出の非破壊検査手法について検討しています。(文献1)

2.光触媒等のエコ材料の適用に関する調査

高速鉄道車両の外板及び窓ガラスの防汚性付与が求められています。本研究では、防汚性に優れた酸化チタン光触媒を車両外板及び窓ガラスに塗布して実車試験を行い、高速鉄道車両における性能確認と適用課題の抽出及び長期耐久性手法について検討しています。(文献2)

3.新材料を導入するための特性及び劣化メカニズムの基礎研究

新材料を適用するには、適用部位で生じる摩耗や疲労等の時間依存の特性変化について調べておくことが必要です。本研究では、鉄鋼材料の摩擦熱による素材組織変化挙動の現象解明や軽量金属材料の破壊特性等の組織変化や劣化の定量化に関する基礎研究を行っています。(文献3~5)

参考文献

  1. 森 久史, 藤本 浩之, 辻村 太郎, 太田 昭男:残留磁束密度変化の検出による応力場の評価, 材料, Vol. 55, No. 8, pp.798, 2006 (※)
  2. 森 久史, 伊藤 暁, 辻村 太郎:新幹線鉄道車両外板への超親水性酸化チタンコーティングの応用とその劣化, 日本金属学会誌, Vol. 70, No. 8, pp.638-641, 2006 (※)
  3. 森 久史, 富永 誉也, 松井 元英, 邱 海, 辻村 太郎:Ni-Cr-Mo鋼ブレーキディスクの摩擦熱影響により発生する微視熱き裂の観察, 日本金属学会誌, Vol.70, No.10, pp.785-789, 2006 (※)
  4. 森 久史, 松井 元英, 辻村 太郎:A4340鋼製ブレーキディスクの現車走行の熱影響による組織変化, 鉄と鋼, Vol.91, No.12, pp.910-912, 2005 (※)
  5. 森 久史, 野田 雅史, 山本 建, 船見 国男, 辻村 太郎, 東 健司, 似内昭夫:マグネシウム合金の破壊特性の微視機構, 第50回日本学術会議材料工学連合講演会, 2006.12, 京大会館

(※)印のついたリンクは外部サイトへ移動します