コンクリート電柱の劣化診断と維持管理

鉄道の架線柱としてコンクリート電柱が使用されるようになってから50年以上経過しています。しかし、これまでコンクリート電柱の耐久性に関する調査・研究事例は非常に少ないものでした。そこで、コンクリート電柱の耐久性を明らかにし、材料劣化に対する維持管理方法と補修方法についてまとめました。

1.はじめに

鉄道の架線柱としてコンクリート電柱が使用されるようになってから50年以上経過しています。しかし、これまでコンクリート電柱の耐久性に関する調査・研究事例は非常に少ないものでした。そこで、コンクリート電柱の耐久性を明らかにするために、現地調査を行って変状状況を調べるとともに(図1、図2)、コンクリート試験体を作製して試験を実施しました。

図1 コンクリート電柱に生じる変状の例(継ぎ目不良箇所でのはく離と鋼材露出)
図2 コンクリート電柱に生じる変状の例(ひび割れ)

2.コンクリート電柱の耐久性

調査および分析を行った結果、コンクリート電柱は、中性化がほとんど進行しないこと、塩化物イオンの浸透に対しても一定の抵抗性を有すること、アルカリシリカ反応が生じにくいことを明らかにしました。一方で、型枠継ぎ目不良のある箇所では炭酸ガスや塩化物イオンが容易に浸透して(図3)、鋼材腐食を生じやすいことを示し、コンクリート電柱の劣化を診断する指標として型枠の継ぎ目不良に着目することが有効であることを明らかにしました。また、コンクリート電柱に生じたひび割れの原因について検討したほか、変状が曲げ強度に与える影響についても検討しました(図4)。これらの成果をもとに、材料劣化に対するコンクリート電柱の維持管理方法と補修方法についてまとめました。

図3 継ぎ目不良箇所からの塩化物イオンの浸透
(赤→黄色→青の順で塩化物イオン量が含まれる)
図4 変状があるコンクリート柱の曲げ強度試験後の状況

参考文献

  1. 上田洋、工藤輝大、佐々木孝彦:コンクリート電柱の劣化診断と維持管理、鉄道総研報告、第18巻、第10号、pp.3-8、2004.10
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