塩害抑制工法(SSI工法)の耐久性評価

塩害を受けたコンクリート構造物の補修工法として、塩化物イオン吸着材を用いた断面修復工法(SSI工法)が様々なコンクリート構造物で適用されています。本研究ではSSI工法の耐久性を評価し、現場の状況に応じた補修仕様が適用できるようにしました。

1.はじめに

塩害を受けたコンクリート構造物の補修工法として、塩化物イオン吸着材を用いた断面修復工法(SSI工法)が様々なコンクリート構造物で適用されています。適用事例が増えていくと、構造物の劣化状況や周辺環境に応じた適切な補修仕様が求められるようになってきました。そこで、本研究ではSSI工法の耐久性を評価し、現場の状況に応じた補修仕様が適用できるようにしました。

2.SSI工法の耐久性評価

SSI工法の耐久性評価は、既施工箇所における補修効果の検証と試験体を用いた実験的検討により行った結果、以下のことがわかりました。

  1. 施工から11~15年を経過したコンクリート建造物の調査から、本工法の適用により断面修復工法であっても10年以上にわたり再劣化を生じないことが確認できました。
  2. 断面修復後の再劣化は、①鉄筋表面の残留塩化物イオン、②鉄筋内側の母材コンクリートに残留する塩化物イオン、③コンクリート表面から再浸透した塩化物イオン、等が要因となります。これらの要因による再劣化のメカニズムを供試体試験によって実験的に検討して(図1)、それぞれのメカニズムに対する本工法の効果を定量的に評価することができるようになりました。
  3. 現場調査結果や実験的な検証によって、母材コンクリートに含まれる塩化物イオン量や鉄筋かぶり、雨がかりや飛来塩分等の環境条件、補修に期待する耐用期間等に応じて、適切な補修仕様が選択できるようになりました。

図1 補修仕様を変えた試験体による鉄筋腐食状況の違い

参考文献

  1. 水野清、上原元樹、飯島亨、玉井譲、上田洋:塩化物イオン吸着材を用いた断面修復工法の補修効果、コンクリートの補修、補強、アップグレードシンポジウム、Vol.12、2012
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