混和材を使用したコンクリートの中性化評価

高炉スラグコンクリートの中性化速度を検討しました。その結果、圧縮強度と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の量で中性化速度を評価出来ることがわかりました。また、硬化コンクリート中の高炉スラグ置換量を推定する方法を検討した結果、電子顕微鏡でセメントペースト部のMg量を分析することで推定できることがわかりました。

1.はじめに

コンクリートに用いられる混和材、特に高炉スラグを使用したコンクリートは、中性化に対する耐久性が小さいとされていますが、促進中性化試験と実構造物での中性化の傾向は必ずしも一致していません。そこで、本研究では高炉スラグを使用したコンクリートの実構造物での中性化に対する耐久性を評価するために、様々な条件により作製、養生、促進中性化をさせた高炉スラグを使用したコンクリートの中性化速度を求め、その関係について検討しました。

2.高炉スラグを使用したコンクリートの中性化評価

その結果、中性化試験開始時の圧縮強度と中性化速度係数との間に、高炉スラグ置換率ごとに直線関係が成り立つこと(図1)、促進中性化試験における中性化速度は、CO2の浸透に対する抵抗性を表す圧縮強度と、中性化に必要なCO2量を表す水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の量で評価することが可能であること(図2)がわかりました。また、現在の促進中性化試験の試験条件(水中養生28日およびCO2濃度5%)では、高炉スラグを使用したコンクリートの中性化深さを実環境と比較して大きく見積もる可能性があること、コンクリートが水分に触れることにより中性化の進行が遅くなることがわかりました。さらに、硬化コンクリート中の高炉スラグの有無や置換量を推定する方法を検討した結果、電子顕微鏡にてセメントペースト部のマグネシウム量を多点分析することで推定できることがわかりました(図3)。

図1 圧縮強度と中性化速度係数の関係
図2 促進中性化試験における圧縮強度・水酸化カルシウム量と中性化速度との関係
図3 高炉スラグを使用したコンクリートの電子顕微鏡による測定概念図

参考文献

  1. 鶴田孝司、佐藤隆恒、上原元樹:高炉セメントコンクリートの中性化速度に及ぼす促進中性化条件の影響、コンクリート構造物の補修、補強、アップグレート論文報告集、Vol.13、pp.447-452、2013
  2. 玉井譲、佐藤隆恒、鶴田孝司、上原元樹:高炉スラグ微粉末の置換率、養生条件、および水結合材比の異なるコンクリートの細孔構造と中性化速度、第56回日本学術会議 材料工学連合講演会 講演論文集、pp.77-78、2012
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