高速摩擦試験機

1.はじめに

高速摩擦試験機は、一般的に使用されている摩擦摩耗試験機(ピンオンディスク)と比較して、高速かつ大きな試験片で摩擦試験を行うことができます。通常、ブレーキ材料の摩擦摩耗特性を把握するために使用されていますが、新材料などの他の材料を試験することが可能です。また、鉄道ブレーキ材料以外の摩擦材料の試験実績もあります。

2.構成

高速摩擦試験機の小型ディスク試験片およびブロック試験片の取付部(図1、2)を示します。本試験機は、一定速度で回転しているディスク試験片にブロック試験片(図3)を2個押し付ける方式になっています。ディスク試験片には小型ディスク試験片(図4)と大型ディスク試験片(図5)の2種類あり、ブロック中心部の摩擦速度は、小型ディスク試験片では10~80km/h、大型ディスク試験片では30~250km/hです。

3.主な仕様

電動機性能 最大回転数2700min-1
最大出力45kW
押付力 最大2kN
面圧 通常のブロック試験片(摩擦面積30×30mm): 最大約1MPa
 摩擦面積10×10mmに変更することにより最大約10MPaとなります。
 厚さは任意で5mm以上
摩擦時間 数秒~任意(通常60s)
測定項目 摩擦速度、トルク、押付力、摩擦係数、ディスクおよびブロック試験片温度
その他 散水試験も可能です。