新幹線電車用車軸軸受油“アクスルーブ”

高速走行かつ交換周期の延伸に対応可能な新幹線電車用の車軸軸受油を開発しました。

1.はじめに

新幹線電車の車軸軸受には潤滑剤として油が使われているものがあります(1990年代半ば以降、グリース潤滑方式の車軸軸受も使われています)。新幹線電車の営業速度は、現在では320km/hにまで向上してきており、さらなる高速走行を目指す取り組みも見られます。このような速度向上に伴い、車軸軸受の高速回転により車軸軸受油は高い温度にさらされ、より過酷な条件で使われることになります。また、車軸軸受油は一定使用期間ごとに交換されます。近年のメンテナンス省力化の流れをうけて、車軸軸受油の交換周期の延伸、すなわち油の耐久性の向上が望まれています。そこで、新幹線電車のさらなる高速化および省メンテナンス(潤滑油交換周期120万km)に対応できる車軸軸受油を開発しました。

2.特徴

基油の一部に合成油を導入し、添加剤を見直して酸化安定性を向上させた車軸軸受油です。開発した車軸軸受油の耐久性を検証するために、実際の車軸軸受と軸箱を用いて、420km/h相当の回転速度・150万km走行相当の台上耐久試験を実施しました。試験後に供試験油の劣化状況を調べた結果を表1に示します。交換が推奨される値として鉄道総研が提案している管理基準値と比較して、各分析値は小さく、劣化はほとんど見られないことが分かります。また、図2に示すように、軸受の外観状態は良好でした。

表1 開発した車軸軸受油の台上試験後の劣化分析結果
図1 開発した車軸軸受油の台上試験後の試験軸受

参考文献

  1. 中村和夫、細谷哲也、日比野澄子、鈴村淳一、設楽裕治、平野亨:新幹線車両用合成系車軸軸受油の開発、第16回鉄道技術連合シンポジウム(J-RAIL 2009)講演論文集、pp.185-188、2009
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