車輪フランジ乗り上がり脱線のシミュレーション

1.車輪フランジ乗り上がり脱線

車輪・レール間に作用する接線力(クリープ力)により、車輪が回転しながらレールに乗り上がる「車輪フランジ乗り上がり脱線」の再現が可能な車両運動シミュレーションを開発しました。

2.シミュレーションと実測値の比較例

静止輪重がアンバランスな状態にある車両が、急曲線部を低速で走行した際の車輪フランジ乗り上がりの様子についてシミュレーションを行った結果を図1に示します。この解析結果が、意図的に静止輪重のアンバランスを設定した実車の走行試験データとよく一致することを確認しました。このシミュレーションを活用して、軌道・車両の条件変化が乗り上がり脱線に及ぼす影響を調べることができます。

なお、本研究は国土交通省の補助金を受けて実施しました。

参考文献

  1. 土井久代、宮本岳史、古川敦、穴見徹広:レール削正が低速時車輪乗り上がりに与える影響評価、鉄道総研報告、第26巻、第8号、pp.23-28、2012.08