有限要素法に基づく架線・パンタグラフ系の3次元運動シミュレーション

有限要素法(FEM)に基づく架線・パンタグラフ系の3次元運動シミュレータの開発を行っています。シミュレータを活用し、鉄道の更なる高速化に対応した電車線やパンタグラフの開発、現象解明、架線・パンタグラフ事故の原因究明などを行います。

1.はじめに

有限要素法(FEM)に基づく架線・パンタグラフ系の3次元運動シミュレーション手法を開発しました。3次元計算においてはハンガや曲線引金具などの大きな回転を考慮する必要があるため、幾何学的非線形問題として解を求めています。

2.静構造計算例

コンパウンドカテナリ架線の静構造計算を行った結果を図1に示します。曲線引金具の横張力によるトロリ線の引き上げを正確に評価できていることが分かります。また、風速30m/sの横風を受けるコンパウンドカテナリ架線の静構造計算結果を図2に示します。このように、風によるちょう架線・補助ちょう架線・トロリ線のはらみを考慮することが可能であり、横張力によって曲線引き部におけるトロリ線の引き上げ量が図1の場合よりも大きくなっている様子が確認できます。

図1 コンパウンドカテナリの静構造計算
図2 横風(30m/s)を受けるコンパウンドカテナリの静構造計算

3.運動シミュレーション例

2台のパンタグラフが300km/hで走行するという条件下での架線・パンタグラフ系の3運動シミュレーションによって得られた接触力波形を図3に示します。架線構造はコンパウンドカテナリとしてします。横風によってトロリ線の引き上げ量が増加したため、風を考慮した場合の方が支持点近傍における接触力変動が約100N増大している様子がわかります。

また、走行速度130km/h、横風なしの場合のシンプルカテナリの挙動を動画1に示します。

図3 架線・パンタグラフの3次元運動シミュレーション結果
動画1 架線・パンタグラフの3次元運動シミュレーション結果

参考文献

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