常時微動による簡易な高架橋固有周期の推定方法

本研究では、常時微動データから高架橋の弾性固有周期を簡単に推定する手法として、振動数、減衰、振動形状、振動安定性等を総合的に評価して弾性固有周期を決定する手法を構築しました。

構造物の弾性固有周期や等価固有周期等の振動特性は、構造物の性能を示す重要な指標です。弾性固有周期は、構造物の健全度診断等の評価指標として用いられています。一方、地震動などによる比較的大振幅の挙動や、構造物の耐震性能を評価する場合には、等価固有周期を指標として用います(図1)。

図1 構造物の弾性固有周期等価固有周期の概念図

本研究では、常時微動データから高架橋の弾性固有周期を簡単に推定する手法として、振動数、減衰、振動形状、振動安定性等を総合的に評価して弾性固有周期を決定する手法を構築しました。本手法により弾性固有周期の推定を、機械的かつ高精度に行うことが可能となりました(図2)。開発したレーザードップラーを用いた非接触多点同期測定システムで少人数、短時間での常時微動計測を実現しました(図3)。

図2 弾性固有周期
図3 非接触多点同期測定システム

また、旧技術基準で設計された等価固有周期が不明確な既設の古い構造物を対象に、実測した弾性固有周期を等価固有周期に換算する手法を提案しました。実測した弾性固有周期には等価固有周期に影響を及ぼす構造物の剛性、基礎種別、地盤条件等の要因が内包されているため、等価固有周期を高精度に推定できます(図4)。

図4 等価固有周期と弾性固有周期の関係

例えば、群杭基礎のラーメン高架橋では、弾性固有周期に本研究で統計的に求めた換算係数1.8を乗じることにより、詳細な非線形解析で算出した等価固有周期と比較して5%程度の誤差で推定できます。本手法は線区単位での耐震診断や走行安全性上の弱点箇所抽出に活用することができます(図5)。

図5 等価固有周期推定の実施例

参考文献

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