人間工学研究室

Ergonomics

利用者や鉄道従事員にとって、安全で快適で便利な鉄道システムを目指した研究開発

鉄道サービスを利用する人、提供する人といったシステムに関わる人の観点からよりよい車両、駅、作業場環境を目指して、人間の形態・運動・生理・認知・行動特性などの諸特性を調べ、必要とされる評価手法や改善方法を提案する研究を行っています。たとえば、旅客に対する車両や駅の安全性評価、乗り心地評価、設備のユーザビリティ評価を、また、従業員に対する運転環境評価や教育・訓練環境の改良等といったテーマに取り組んでいます。また、このような背景から研究室では被験者・モニターに協力してもらう実験・調査によりデータを収集することが多く、環境を模擬する実験装置を開発し、活用しています。

2016年度の主な取り組み計画(人間科学ニュース2016年5月号)

研究開発

列車衝突時の車内安全性評価のための人体有限要素モデルの構築

列車衝突事故発生時の被害軽減対策検討のため、衝突シミュレーション手法の確立を目指しています。このシミュレーションにおいて、様々な方向からの衝撃を評価可能で、立ち座りの姿勢を変更可能な、日本人の体格に合致した人体有限要素モデル(人体モデル)を構築しました。

高周波振動に対する体感を反映した等感覚曲線

「乗り心地としての不快感」を尺度として振動に対する人間の感度変化を調査し、乗り心地レベルの等感覚曲線(上下・左右振動)の高周波域を補正して、より乗客の体感に近い評価が可能となりました。

使いやすい車内設備

つり革や手すりなど身体を支えるための設備を、多様な利用者に使いやすいものとするための検討を行なっています。

視覚障害者誘導用ブロックの敷設(配置)方法

駅における視覚障害者誘導用ブロックの敷設ルールを提案しました。その内容は国土交通省のガイドラインに反映されています。

「ワークロード評価スケール」の改良

運転士のワークロード(作業負荷)管理を支援するツールとして開発された「ワークロード評価スケール」の改良を試みました。実験や現地調査を行わずに、運転士のワークロードが推定できます。

運転士の異常時対応能力向上プログラムの実用システム

異常時に対応する能力を向上させるための支援ツールを開発しました。シミュレータ運転中の様子を撮影し、運転後にこの動画を見ることで、運転中の記憶が鮮明なうちに、運転内容を振り返ることができます。

地点対応可能な複合振動乗り心地推定法

複合振動に対する乗り心地の変動を予測できる、複合振動乗り心地推定法を提案しました。また、乗り心地に関連した情報を一覧できるよう、乗り心地情報一元表示システムを試作しました。

利用者の視点に立った運転再開見込み情報の案内実践支援教材

事故の発生などによるダイヤ乱れ時において利用者の不満軽減に有効な情報提供のあり方を提案し、それを社員に理解、納得してもらい、実践に繋げるための教材(DVD)を開発しました。

体格への適合性評価ツール

多様な体格の利用者、乗務員にとって使いやすい車内設備を設計するための支援ツールの開発に取り組んでいます。

夏季の通勤列車内の温熱快適性予測

夏季の通勤列車内の温熱快適性評価を目的として、人の生理・心理特性を考慮した温熱快適性予測手法を開発しました。

運転室内の報知・警報音の決定法

運転室内で運転士に情報を伝える音を設計する際の考え方を提案しました。

実験設備

車内快適性シミュレータ

車内環境を実験室で模擬可能なシミュレータを開発して、快適性の評価手法について研究をしています。

列車運転シミュレータ

列車の運転室を模擬した装置で、運転知識、技能習得、異常時取扱いの体験や、機器操作性の評価、運転士の眠気やヒューマンエラーを誘発する環境要因の分析などの研究開発を目的としています。

車内振動騒音評価シミュレータ

上下・左右・前後の3方向に、1~50Hzまで加振可能な静音設計された動電型振動台を吸音防音壁で囲ったもので、壁面埋込スピーカーにより、20~20kHzの音場再現ができ、車内の振動と車内音を正確に再現・検証が可能です。

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