高周波振動に対する体感を反映した等感覚曲線

「乗り心地としての不快感」を尺度として振動に対する人間の感度変化を調査し、乗り心地レベルの等感覚曲線(上下・左右振動)の高周波域を補正して、より乗客の体感に近い評価が可能となりました。

新幹線の高速化に伴って、30Hz付近の高周波振動成分が乗り心地に影響を及ぼすことが明らかになってきました。しかし、現在の乗り心地レベルでは、その算出に用いられる等感覚曲線の高周波振動に対する感度が低いため重み付けが小さく、このような振動成分が含まれる場合は体感と合わないという問題がありました。

このため、「乗り心地としての不快感」を尺度とした1~50Hz帯域の振動に対する感度変化を調査し、現在利用されている等感覚曲線(上下・左右振動)の高周波域を補正して乗客の体感に近づけた座席種別によらない案を作成しました(図1)。補正案の有効性を検証するため、新幹線営業列車と振動台(図2)を用いた被験者試験を実施し、補正案による乗り心地レベルは、現行より体感と合うことを確認しました。また、高周波振動と同帯域の音(低周波音)が振動評価に及ぼす影響を調査し、正弦波のような単一周波数の音は振動の評価に影響するものの、走行音のような広帯域の音は、ほとんど影響しないことを明らかにしました。また、高周波成分が少ない在来線では補正案による乗り心地レベルの値は現行法とほぼ同じため、補正案に切り替えてもこれまでと同様に使用でき、蓄積された過去の測定値と併用可能です。

本研究の一部は国土交通省補助金を受けて実施しました。

図1 等感覚曲線(補正案と現行)と実験結果
図2 車内振動騒音評価シミュレータ

参考文献

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