海底地震計データを活用した早期地震警報

公的機関の設置した海底地震計データによる規定値超過情報を用いて、鉄道を対象に早期地震警報を出力する手法を提案しました。情報の流れを図1に示します。提案した手法により鉄道事業者の早期地震防災システムで海底地震計データが新たな情報として活用できるようになります。この際、海底地震計で観測されるデータは、図2に示すように陸域地震計のデータに比べ増幅される特徴があるため、警報の規定値は沿線からの地震計までの距離と海底における増幅特性を考慮して決定されます。

また、効率よくかつ確実に情報の伝達を行い警報を出力するために、海底地震計の生データを一旦加工し、情報の信頼性を表す品質情報とともにデータを送信する処理手法を提案しました(図3)。

参考文献

  1. 宮腰寛之,山本俊六,祗園昭宏,神山真樹,他谷周一,渡辺篤,功刀卓:鉄道の早期地震警報への海底地震計情報活用に向けたデータ処理,鉄道総研報告,Vol.29,No.1,pp.35-40,2015